38.見ず知らずの医師が書いた書類
相手からの証拠のひとつに、見ず知らずの医師が書いた長男の「診療情報提供書」というものがありました。そこには「統合失調症の母親に刺されそうになったことによるPTSDの疑い」と書いてありました。それを持って大学の子どもの心の病院に行くのだそうです。はやく「PTSDの診断書」が欲しいのでしょう。母親と子どもを引き離すためのカードとして。
長男はいつも連れ去られた家で、義母と一緒に寝ていたそうです。寝る前に「怖かったね。もうママが包丁を振り回して暴れたり、刺したりしないからね。もう大丈夫だよ。」と繰り返し言って寝かしつけていたそうです。
なので久しぶりに会ったときに、私に向かって「ママは包丁を振り回していたんでしょう???」と聞いてきました。
小さな子どもというのは、きっと記憶が大人よりも曖昧で、こんなことを繰り返し聞かされていたら、そのうちに本当に「ママが包丁を振り回して暴れていた」と思い込んでしまうと思います。
実際長男も1年間の間に、「ママは包丁を振り回していたんでしょう?」から「ママが包丁を振り回していたところを見たことがある」と言い出したことがありました。毎日、毎日、包丁を振り回した怖いママの像を刷り込まれ、大好きな優しかったママの像を消しさられそうになっていたのです。
診察の日までに、子どもに「ママが包丁を振り回して怖かった」と言わせたかったんだろうなと思います。
大学病院に電話しても、別居親には情報を伝えられないと言われてしまい、診察に同席することも、話を聞いてもらうことも叶いませんでしたが、読んでもらえなくてもいいからと思って手紙を書きました。
「貴院で受診予約している●●の母です。やむにやまれず筆をとらせていただきました。実は息子の●●は離婚協議中の夫とその家族により、母親である私の下から強引に連れ去られてしまいました。現在、裁判所で子の引き渡しの審判中です。こうした中、「統合失調症の母親の姿を目撃した」という事実無根の説明を●●医師に対して行い、同医師は夫の虚偽をそのまま記載した診療情報提供書を作成しています。私は一度も統合失調症の診断を受けていません。事実と異なることが書かれているこの書類は、適切な診療の妨げになるのではないかと思いました。事実と異なる情報をもとに息子の診断、治療がなされることを強く危惧しています。私の願いは、息子が正しい情報を元にして、適切な診断、治療(もしも症状があるのなら)がなされることだけです。くれぐれも息子をよろしくお願いいたします。」(↑色々省略してますがほぼ原文)
この手紙を読んでくれたか、読んでくれていないかは知る由もありませんが、PTSDの診断書ではなく、「不安障害 上記により、食欲不振、意欲低下、不眠を認める。」との診断書が出ました。
母親の包丁を振り回して暴れる姿を見たからではなくて、突然連れ去られて辛かったからだよね。