22.犬は突然環境を変えると良くないからね

　うちには犬がいます。子どもたちが連れ去られてしまった日、義母がこう言っていました。「犬は突然環境を変えると良くないからね。置いていくわよ。」と。

　連れ去られた翌日に子どもたちの住民票は移動されてしまっており、もともと通っていた幼稚園は区立の幼稚園だったので、区内に住民票がないということで強制退園となってしまいました。息子は連れ去られた翌日には、もう義実家の家の近くの幼稚園に通いはじめていました。

　今まで通っていた幼稚園では先生方のご好意で、席やお道具箱などはそのままにしてくれていたようで、幼稚園のお友達には「しばらくお休みするかもしれない。」とうまく話してくれていたようでした。そのおかげで、１年間後に戻ってきた時もすんなりまたみんなの輪に馴染めたようです。でも・・・お友達にさよならもできないまま、　突然会えなくなるなんて辛かったよね。

　転園をする時には前の幼稚園から新しい幼稚園に引き継ぎのようなことをしなければならないそうで、新しい幼稚園にその旨伝えて欲しいと言われました。でも、どこの幼稚園に通っているのかもその時はわからなかったのです。後の裁判書類に幼稚園の名前が書いてあったので、すぐに調べて連絡をしました。向こうの幼稚園での様子とかも聞けたらいいなとそんな淡い期待を抱きながら電話すると・・・

「うちの幼稚園にそのような子はいません。」

「そんなはずはないと思うんですが、本当ですか？」と食い下がると「一緒に暮らしていないお母さんにはお教えすることは出来ないんです。」と。そしてそのあと、ブツっと一方的に電話を切られてしまいました。

　結局、本来必要であろう前幼稚園と現幼稚園の先生同士の引き継ぎも出来ぬまま、無理矢理に環境を変えられてしまったのでした。

犬も人間も、突然無理やり環境を変えるのは良くないことだと思いました。

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