借金が怖かった私が【住宅ローン】と真剣に向き合ってきた話
みなさんは、次の2つの言葉を聞いて、どちらの方がより怖いと感じますか?
A「わたし、株やってるんだ」
B「給料までお金足りなくて、1万円キャッシングしちゃった」
比べるものではないかもしれませんが、私は断然「B」に恐怖を感じます。
それは、私が両親から受けてきたお金の教育に関係してきます。
投資は「資産運用の選択肢のひとつである」と教わり、借金については「できれば近づくな。借金は危険なものである」と、教わってきたからです。
今日は「前書き」と言えないほど前半が長くなってしまったので、目次をつけます。
住宅ローンの話は、私たち夫婦の年齢や年収、物件価格、ローンの詳細について具体的な数字をのせて書いていますので、興味のある方はぜひ目次から飛んで読んでみてください(*^▽^*)
知らないことによる「お金の不幸」を減らしたい|両親からの教え(守る・使う編)[3000字]
図書館の「いま返ってきた本」的なコーナーでたまたま出会った、経済ジャーナリスト小暮太一さんの本『カイジ「命より重い!」お金の話』を読み、「私って、きっと人よりも借金をすごく怖がってるんだろうな」と感じたので、この記事を書いてみたいと思いました。
ちなみにBのキャッシングのセリフは、若い頃に仲良くしていた同僚が発した言葉で、これをランチタイムに笑顔で話してきたことに、当時の私はものすごい衝撃を受けたのでした。
私にとって銀行以外からお金を借りるという行為は、即サラ金と結びつき、仲の良い友人が少額とはいえそんなところからお金を借りていること、それを何でもないことのようにサラッと言っていることに、本当にびっくりしてしまったのです。
私の中では「キャッシング=闇金ウシジマくんの世界」
一般的にみて、これは「言い過ぎ」になるんかな?
でも「投資はギャンブル、絶対に手を出しちゃいけない」と親から教わってきた人が、投資を怖いと感じるように、私にとって借金はとても怖いものなのです。
「お金の教養」は学校などで学ばない分、親の価値観を子供はそのまま自分の人生に反映してしまいやすい分野だと思っています。
大人になって自ら学ぶことで書き換えも可能ではありますが、潜在意識に埋め込まれたお金のブロックを外すのは容易ではないですよね。
私の父はサラリーマンであり、起業家や自営業者ではありません。
会社員の父からすると、「良い借金」というのはほとんど存在しない。
これが起業家の父であれば、良い借金と悪い借金の違いをしっかりと教えてくれたかもしれません。
親は自分たちの価値観で、良かれと思って自分なりの「お金の教養」を子供に伝えます。
お金の教えも、それ以外の教えも、親の教えが100%子供のためになるとは限らない。
もし私が、夢を持って起業したい、そのためには先行投資が必要でお金を借りなければならない、という立場にたった場合、両親からの教えは私が起業する大きな足かせになったと思います。
それくらい、私は借金がこわいです。
「お金の教養」はこのように親の影響を色濃く受けますが、その子供(子供の将来)に合った教育を未来を読めない中で完璧にできる親はいないと思うので、子供も自分に必要な考え方を自分で学び選んでいくことが大切だよなと改めて感じました。
リベ大両学長さんが、「一生お金に困らない5つの力」として
①貯める
②稼ぐ
③増やす
④守る
⑤使う
を、挙げられています。
100年もの間、世界中で読み継がれていると言われるお金の本『バビロン大富豪の教え』の中にも、こんな言葉が出てきます。
※Kindle Unlimited会員は無料で読めます
お金に悩まない人生を得るためには、「貯める」「増やす」だけではなく「守る」「使う」を学ぶことは欠かせません。
今回読んだ『カイジ「命より重い!」お金の話』は、この「守る」「使う」に特化した本。
「ご利用は計画的に♪」と、有名タレントやきれいなお姉さんがバンバン宣伝している世の中で、「サラ金に手を出す」という昔のような悪いイメージを持つ人は減り、若者の中では金利の低い銀行よりもまず先に、気軽に借りられる消費者金融を利用するケースが増えているそうです。
また、この本の元となった漫画『カイジ』の主人公カイジは、自分が作った借金ではなく、バイト仲間の「連帯保証人」になってしまったことで、借金地獄に落ちていきます。
現実的に、自己破産する人の10人に一人は、連帯保証人になったことがきっかけであるということも書かれていました。
なんでこんなことになるんだろう?
連帯保証人がどれほど怖いものなのか、数パーセントの金利の差がどれほど借金を大きくしてしまうものなのか、すごく大切なことなのに、なんで誰も教えてあげなかったんだろう?
知っていれば避けられることはたくさんあるのに。
大切なことをしっかり教えてくれた両親に心から感謝し、私が両親から教わってきたことを書いてみたいと思います。
ザっと思いつくものを書いてみました。
借金や利息を払うことにかなり消極的であり、利息は「支払うもの」ではなく「受け取るもの」であるという認識の強い両親でした。
このアドバイスはすべての人にとっての正解ではないと思いますが、もしもカイジが、これと同様のことを誰かに教わっていたら、少なくとも連帯保証人のサインを軽々しくしてしまうことはなかったんじゃないか?
連帯保証人がキッカケの自己破産を減らせるんじゃないか?
知っていて覚悟の上で判を押すのと、知らずに判を押すのとでは大きな違いがある。
「知らない」ことが原因の「お金の不幸」が減ったらいいなと思っています。
この本は漫画『カイジ』を元にしていることもあり、「自己責任」的な要素を含んだ言葉が多いため、今の世の中では嫌悪感を抱かれるかたもいらっしゃるかもしれません。
ただ「守る」の知識をつけるためには、『カイジ』を読んだことがなくとも(私も読んでません)、とてもわかりやすく、読みやすい本だと私は感じました。興味のある方はぜひ!
「両親の教え(貯める)編」は、こちらの記事に書いています。
借金が怖かった私が【住宅ローン】と真剣に向き合ってきた話[3600字]
ここから先は「借金はこわい」という気持ちの強かった私が、住宅ローンを組む際にその不安を解消するため、情報を集め学び、真剣に住宅ローンと向き合ってきた経験談を書いてみたいと思います。
カイジの本の中にこんな言葉が出てきます。
未来の自分がどうなっているのかなんてわからないのですから、これはとんでもないリスクです。
借金をする時点で、このリスクを完全にゼロにすることはできないと思っています。
でも、投資と同じで「リスクを軽減する方法」はきっとあるはずだ。
お金の不安に対処するには「知ること」そして「計算」が有効です。
主人とふたり一目ぼれした「もう今後二度と出会えないであろう物件」を見つけ、住宅ローンを組むことを決めた時、私はまず住宅ローンに関する情報をたくさん集めました。
ローンには、「元金均等返済」「元利均等返済」のふたつがあること。
金利には「固定金利」「変動金利」があること。
返済期間は35年だけでなく自由に選べるということ。
繰り上げ返済について。住宅ローン減税について。
等々、それぞれのメリット・デメリット・注意点など、調べられる範囲で徹底的に調べました。
これらの知識をうまく組み合わせることで、「自分が納得するリスク」をとることができると感じました。
17年前のことですから、当時は今のように個人が積極的に発信する時代ではなく、「経験談」のような情報はほとんど得られなかったと思います。
3200万円のマンションは、当時年収350万円の夫一人で買えるものではありませんでした。
夫婦それぞれローンを組み、妻名義のローンを完済するまで子供は我慢すると決めました。
数年内に子供が欲しいと思っている。年齢も考慮する必要がある。
妻名義のローンを増やし過ぎると返済に時間がかかる。かといって夫名義を多くすれば後が辛くなる。
決められた条件の中で、多くの面でバランスをとる必要がありました。
調べた情報を元に、いくつものシュミレーションを行い、私たちの希望するライフプランに沿った「我が家のための住宅ローン」を自分でカスタマイズすることにしたのです。
フラット35のような超長期固定は金利が3%台で却下。
元金均等は当初の返済額があまりに高額になるため断念。
計画的にいきたい私には、想定外のことが起こりうる「変動金利」のリスクを許容できなかったため、金利の高い「固定金利」を選択。(結果論としては変動金利が一番得でしたが、この決断に悔いはなし)
手取り月収33万円の私たち夫婦にとって、月14万円弱という支払いは収入の4割にあたり、かなりリスクがあるものでした。
でも妻ローン完済後の支払額を、賃貸と変わらない8万円台までどうしても下げたかった。
妻ローン完済までの5年間の間に、二人が同時に倒れる可能性、同時に仕事を失う可能性はそんなに高くないだろう。
子供もいない、貯金もまだある、ボーナスは完全にフリーな状態。
ここだけは思い切ってリスクをとり、勝負した部分でした。
私が若い頃に出会った、住宅費に関するとても印象深い言葉があります。
「住宅費」というのは、多くの家庭にとってとても大きなウエイトを占める出費です。
住まいにかけるお金によっては、他の出費が大きく制限されることに繋がる。
でも、人によって「大切なもの」は違いますから、家にお金をかけても、家以外にお金をかけても、どちらも自由ですよね。
私たちは当時の収入からすると「高嶺の花」であったマンションを買うことに決めました。
その時点で、ローンを完済するまでは「ワンランク下の生活」になることを、ふたりで覚悟したのです。
”鬼嫁級”の私の厳しい家計管理に耐えられる男性は、そうそういないと思います(笑)
これを徹底的に行い、優先順位の低いものにはお金を使わない、こんまりさんの言葉を借りるなら「ときめくものだけを残す家計管理」です。
夫は文句を言わず、私を信じてお金の管理をすべて任せてくれました。
同じ会社で働き続け、10数年かけて年収も500万円台まで増えました。
夫の頑張りのおかげで、「借金はこわい」と眠れず住宅ローンを決めたあの日から14年で、予定よりもかなり早くローンから解放されることができました。
「やっと終わった」
最後の繰り上げ返済にいき、銀行のドアから出た瞬間に感じた感動を、今でも忘れられません。
「しまった! この感動をなぜ一人で味わってしまったんだろう。一緒に来るべきだった。夫に申し訳ない!」
そう思いながら、その日仕事から帰ってきた夫にローン完済の感動を伝えると、夫は思ったよりかなり冷めた反応でした。
「ミイコに任せておけば大丈夫だと思ってたから」
「俺が住宅ローンを背負ってるとか、そんな負担や重荷を感じたことはない」
どうやら住宅ローンが負担だったのは、私だけのようでした(笑)
でも、この言葉はすごく嬉しかったです。
夫が今も元気に生きていてくれてよかったなぁと心から思います。
なんせずっと「ワンランク下の生活」を送ってきたんですから、楽しいのはこれからですから。
でも、まだまだ子供にお金がかかりますので、ほんのすこーしずつですけどね。(鬼嫁継続中)
あと、ここにはもう書きませんが、これだけ色々考えて計画的にやろうと思った私が、あろうことか繰り上げ返済資金を株に回し、そこからリーマンショック突入というとんでもない失敗をしています♪
「使う予定のあるお金を投資に回してはいけない」という両親からの教えを、欲を出して完全無視してしまいました。
人はやらかしてしまう生き物ですね!
繰り上げ返済記録は個人ブログに書いていますので、興味のある方はぜひ遊びに来てください。
今日のイラストは、akkiyさんの45万Viewお礼企画で描いていただきました。
リクエストを受け付けてくださったので、お金の記事に使いたいと「カエル×おかね」でお願いしました。
しっかり額装された、なんともなんともインパクト大の絵をいただきましたよ!
じゃん!!
作品タイトル「ワタシはカエル」
「幸せなお金持ち」のイメージでお願いします! とも、リクエストしていました。
akkiyさんのこの言葉を読んで、すぐに思いうかんだのが、漫画『宇宙兄弟』のあるセリフでした。
この家で家族四人暮らせて、この家で子育てができて、私はいまとても幸せです。
借金はこわいけど……
お金は私たちの味方だ!!!
私はいつも、そう思っています。
akkiyさん、素敵な言葉と楽しいインパクト大のイラストをありがとう!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。