夏未満、宣誓
それは、全部幻だったのでしょうか。
その群青は時折宝箱からさえ抜け出して、持っていたことなんてないですという顔をして笑顔を貼り付けることもあります。
それじゃあ、思い出せなくなったらどうしましょうか。外付けのメモリーに保存しておくとして、その置き場くらいなら覚えておけますか。
それとも、いつか話したあの青への憧れなら覚えておけますか。憧れ続ける限り、相手が持っていると信じることならできますか。
この世の誰も、もう夏空の青に目を細めなくなっても、きっとこの世のどこかにいる相手の、その手元にあるはずの【宝箱の中身】に誇れるように、そうやってすべての明日を選び取ってください。
この世で私たちだけは最後まで忘れないって、誓います