苔寺にて
お互いの祖先の日本人がその時々に築き上げて遺したものを今の若い人たちがどんなふうに見ているのか尋ねたいことである。滅びたものをただ美的な興味で眺めているのかそれともこう乱雑になった世の中にも自分たちの生活や血につながりの在るものとしてなつかしみ受け取ろうとする心が残っているのか確かめてみたい。
川端康成 書
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お互いの祖先の日本人がその時々に築き上げて遺したものを今の若い人たちがどんなふうに見ているのか尋ねたいことである。滅びたものをただ美的な興味で眺めているのかそれともこう乱雑になった世の中にも自分たちの生活や血につながりの在るものとしてなつかしみ受け取ろうとする心が残っているのか確かめてみたい。
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