唄う(自白の意)一人の人間。
唄う六人の女、観て、感想を書こうかどうしようか。
思い返したりパンフレットを読んだり色々して、書こうと思いますが。
誰向けの感想かというと、独り言の要素が大きいので、誰も読まなくていいです。じゃあ書くな、ではない、書きたいから書く。
でも、そういう前置きをしないと、無知ゆえに関係者の方を傷つけたり、作品を好きな方をイラっとさせたりするじゃないですか。
だいたいいつもそんな感じで人に苛つかれるので、こちらも予防できるならしたい。苛つかれたい欲求は、こうみえてわりと無いです。
むしろ逆ギレしていることの方が多い(やめなさいよ)。
なので、自分の中の響いた部分ごとに区分けして書いてみます。
苛つきポイントはスルーしてください。
(面倒くせぇな、じゃあ読まねぇよ、結構です。それがいいと思う)。
※ネタバレがつんがつんにありますので。
観たあとすぐの感覚
わー。すばらしい作品だったー。
途中ちょっと咳が出てしまって本当に申し訳ない。
あのテーマ大事ですよなー。他人事じゃないー。田舎ー。扱ってくれてありがたいー。風化著しいー。終わってないー。
水中のシーンめちゃくちゃきれいだったー。
結果、女さんみんなすき。
一番好きなのは刺す女さんかなー。虫汁つくれるのすごい。調理。
人間じゃないかもしれない予想はついても、じゃああの人間文化をどう習得したんだろうとか思うと(着物というのは面倒くさい…)、虫汁がつくれるってすごいと思う。
蝉のシーン、あれ、どうやってるんだろう。美術さんの仕事(口に含んで大丈夫なもの)だとしたらすばらしい。羽根とか。捕まえたんだとしてもすごい。
わかりやすいハッピーエンドにはならなかったけど、それがいいというか、こちらに託されてる感もある。
でも、大事なテーマだけど邦画であんまりみない。
ドキュメンタリーならあるのかな。
エンタメ通さないと認識できないのだとしたらそれはそれで違う危機感がある。JAEAの方や日本原燃の方、ぜひ観て欲しい。社員旅行ならぬ社員鑑賞だ。レッツゴー劇場。
エンタメはエンタメだろ、じゃなくて、この辺のことがもっとちゃんと知られた方が、いいと思う。
そしてエンディングの歌声めっちゃきれい、めちゃくちゃうまい。誰だろう。世の中にはすごい人がたくさんいる。
で、この歌声の途中で帰れるあなたたちの耳は大丈夫なのだろうか、さてはトイレを我慢していたのか。わかる。私もだ。
私もだが、聴く。絶対にだ。((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル
美術さんのお仕事
というのが気になった箇所があります。
このへん、たぶん関係者に苛つかれるやつ。
ちょっと映画観るようになって各部署の仕事なんてものを少しばかり知った気になってるど素人(私)が気にするやつ。
あの、萱島さん実家の子ども部屋…というか子供用机まわり…大人になってから行った時と、思い出の時とで、あまり経年劣化がなかったような…気のせいだったらすみません…あの糊(のり)…レトロかわいいやつ…あれ、いま復刻して売ってるんですよね。だから、気になってしまって…新品、て思ってしまって。
いや、あの、重箱の隅をつつきたいわけじゃなくて、美術さんの仕事って、その「世界」をつくってるじゃないですか。
登場する人の部屋だったら「その人の背景」をつくってたり。時代が違えば時代考証に則って用意したり…
さっき書いたみたいに、その人がつくった「食事」、「盛り方」みたいなのもその人の来歴や性格や好みを表していたり…(主婦の方と映画「さんかく窓の外側は夜」を観に行ったとき、三角くんはあの料理をあの出し方しないですよね…という話で盛り上がった)。
で、これも勝手な憶測でしかないのですが、そこまでするには(小物にまで経年劣化風味を施すとなると)予算とかが変わってきてしまう可能性…そして、過去を撮る時と現在を撮る時とのスケジュール…兼ね合い…いろいろ…たいへん…
ってことが想像できたので、ここからは文化庁あたりに言いたい小言なのですが(八つ当たりに近い)。
美術さんの仕事って、映画においてめちゃくちゃ大事だと思うんです。
が、パンフレットとかを読んでもだいたいそんなに大きく扱ってないです。映画の批評家の方とかもそんなに触れない…でも、その世界をその世界たらしめる土台を作ってるのって…今回はロケーションの要素がかなり大きいとは思うのですが…美術、セットの力が大きいと思うのです。
そこを、その方達を、その仕事を、守ることに予算をつけられませんかー。なにかー。
…邦画の弱さって実はそのへん、ちょっとありませんかー…バーンとお金をかけたセットを作れるかどうか、というより、そういう…この世界と、つくられた世界をつなぐ細部を大事にしている部署さんをー…守るなにかがー…制度がー…そんなのCGで済ませというなら、それもお金かかるんじゃないでしょうかー…
セットにしても小道具にしても、保管したり共有したりできるなにかがー…地方ももっと協力できそうななにかがー…したいー(私の欲求なだけだった)。
※このあと「映画美術から学ぶ「世界」のつくり方 プロダクションデザインという仕事」という本をポチった私なのでした。
エンタメとは。
エンタメ…パンフレットの山田さんのインタビューを読んで、あくまでエンターテイメントという枠組みのなかで…とあって。
私の観た感想というか実感は、あれ、あんまりエンタメじゃなくてですね。
すごく大事なことを伝えてくれているし、美しさも、人間の欲も、どうしようもなさもあって、うーん、エンタメではなかった…と考えたときに。
人間が本気で生きるときに生じる滑稽さみたいなのは、個人的にエンタメとは感じていない…というのもあるけど…
あいつは酒も女もタバコもやらない…等というときの「女」。
「女」がエンタメ要素だったのかもなぁ…と、松本幸四郎さんのコメントを思い出しながら思いました。この社会にとっては。
だって、冷静に考えたら「男」だっていてもよいはずなのでは…。
単純に確立の問題で…。
自然だの女だのを美化すること自体、人間的偏見がある気がする。
きりかぶおばけみたいな男に宇和島さんがヘッドロックされたらいい。
現実としての生活
もはや感想でもなんでもないから、書くのやめたいな。
なんで書き始めたんだっけ。
うーん…最近読みはじめた「取材・執筆・推敲 書く人の教科書」(ダイヤモンド社 著者:古賀史健さん)に、自分事化させないとエンタメにならない…みたいなことが書いてあって。
…うろ覚えだから違うかも。もっとちゃんと読む…読書の秋。
映画の製作現場とか、俳優業とかがハードだと、私たちの…なんてことない生活、というものを肌感覚で知っている人が不在になってしまうのではないかと…思うところがあり…
うーん…なんというか。作り手の側が、逆に、生活の諸々、自分事化できていますか...?みたいな…ことを…感じる。
たとえば、料理の盛り方とか、経年劣化とか、土であってほしいところがアスファルトとか…些末。とても些末。そんなことで映画を否定されてはたまったものではない…と思う。
でも、否定じゃなくて…どうしたらそういう些末さも一緒に大切にできるだろうか…と考えている。
うーん…素人が、素人だと思うから、それでいいやと思われる、のが、今の映画なんだとしたら、なんか…うーん…さみしいというか。
なんか…なんだろう。
今回の映画でいえば、命の壮大さを扱っているのに、素人は口出せない感が濃いと(映画を自分事化させる装置が機能していないと)、結局、観てる人の命はちっぽけなままというか。
それは、各省庁とか、大学の偉い教授とかと向き合っても思うこと…かなぁ。JAEAや日本原燃の方もそこに含まれる。
じゃあいっそ監督のための映画だ!くらいのところに全振りしているかといえば、そういうわけでもなく…
森の外にいる自分を実感した…ということなのかもしれない。
映画の外にいる自分を実感した、ということなのかもしれない。
だから、こんな、無価値な文章を書きたくなかったのかもしれない。
感覚の違い。
話は変わって、音楽が、だいぶこだわってつくられていたらしいのですが、私は視覚情報にばかり頼ってしまうみたいで、音をほとんど覚えていない…
エンドロールでようやく曲!歌!うま!ってなった…
唯一頭にこびりついているのが、見つめる女さんの叫び。
でも、なんというか、あの、相手がどうすればダメージを受けるかわかっててやる人間しぐさ、身に覚えがあって、なんというか…悪とかどうとか以前の、あれを楽しむ感覚が人間にはあって…遺って、脈々と受け継がれていて、そういう方がもしかしたら濃くて、こわいなぁと思います。
人間は、自分と似た生物がどうされたら苦痛を感じるか、わかっていて、やる。その根の深さってなんなんだろう。
あの森が招き入れる人を選ぶとしたら、宇和島さんのことも選んだわけで。
…森は、ネズミがフクロウに食べられたとしても、ネズミを愛していないわけじゃない…みたいな。
そもそも、弱肉強食の原理に一切愛が介在していないように感じること自体、人間的価値観の押し付けなのかもしれず…うーん…結論は出ない。
というか、たぶんこの独り言に結論はいらない。
そろそろ終わります。
知ったかぶろうとする癖があますところなく出てしまった。
勘違いも入っていて、こういうのが後々恥ずかしくなる原因。
けど、自分の人間性がろくでもないと思う時、わりと自分がきらいじゃない。最近、優先順位というものが自分の中で出てきた、気がする。
ねむい。ねよう。
割られるための卵のような文章になっているといいなと思う。
おやすみなさい。
私があの森にいたとしたら、たぶんカメムシかなにかだと思う。
…あ、パンフレットの各部署の名前?を確認していたら、文字化け、文字被り?が何ヵ所かある…スチールの下と、スタントコーディネーターの下と、データマネジメントの下。エンドロールではちゃんと読めてたのかな…歌に聴き入ってて覚えてない…