日傘
日傘を長年愛用している。
まるで鎧をつけたかのように、守られた気分になる日傘。
それは強い紫外線からのみならず他人からの視線や他人からのオーラから、身や心を守ってくれるようだ。
傘の外と中ではちょっとした別世界。
薄い布を大きく広げただけなのに。
私は歩道のない車の行き交う道路を歩かねばならない時、日傘を広げる。
車が傘の分大きめによけてくれるためだ。
自転車もよけてくれる。
もちろん狭い道ではたたむなどして適宜気をつけている。
ただ、そんな私も日傘から遠のいていた時期がある。
44歳で初めて子供を産んでからだ。
赤ちゃんを抱っこしたり、ベビーカーを押したり、抱っこひもから車へ乗り降りさせるなどそれはそれは大変で、日傘どころか帽子さえ被る気持ちの余裕もなく、日焼け止めすら塗っていなかった。
自分のことは、どうにか外へ出られる格好を整えるようにしていただけであまり記憶にもない。
今、子供は5歳になり、始終手を引いていなくてもよくなったので再び日傘の出番である。
車中には傘が3本あるので、日差しの強い時には息子は自分で差している。
お互いが傘をさしていればかなり距離があくので、ソーシャルディスタンスをたもつのに丁度良いのではないだろうか。
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