ダイナマイトどんどん
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予想外におもしろかった。画が古臭くない。昭和の映画らしさはあるのだが、見いて違和感がない。カットの変わるタイミングが心地いい。タイトルが出るまでに心をつかまれた。
菅原文太がコメディ役者だと知らなかった。知ってたら、娘さんとももう少しちゃんとした話をしたかった。
田中邦衛が少ししか出ないのに、存在感がすごい。癖の強い演技をして、おそらく現場は爆笑なのだろう。予想以上の仕事をするから、仕事がくる。そういうのを喜ぶ人間だから、役者として一流なのだ。
小倉のやくざが野球で勝負する。このあたりからして、もうハチャメチャだ。小料理屋の女を巡って、菅原と北大路欣也が恋敵になるが、菅原は動きがコミカルなのに、北大路はあくまでかっこいい。
菅原、田中はコミカルに動く。フランキー堺も出てるけど、意外にコミカルでない。
やくざの喧嘩の場面は、普通に時代劇のような立ち回り。
音楽がコメディ調だから、それで一気にコメディになる。
格闘シーンが適当に挟まれて、コメディが際立つ。
時々、子どもが映るのが、すごく効果的に働いてる。
ダイナマイトどんどん、という歌を持ち歌にしたいくらいに、この空気が好きだ。
菅原文太の着流し姿がかっこいい。野球のユニホームも、それぞれによくできてる。なんかきちんとできてる映画だ。名前さえ知らずに見た作品だが、おもしろかった。これだから、いろいろ見て見ないと分からない。