闇金ウシジマくん

借金はしちゃいけない

 借金しているのは、渋谷のチャラ男と、体を売って生活しているおばさん。二人に共通するのは、ラクしようとするところ。チャラ男はカネや地位を楽に得ようとする。おばさんは、チャラ男のような野望は持っていないが、普通に暮らすのに、努力せず楽しようとする。そして、二人とも楽しようとして、かえってたいへんな目に遭い、楽とは真逆な苦労をすることになる。

 人として、してはいけないのは、殺しだ。他人はもちろん、自分を殺すのもだめだ。殺しに最もつながりやすいのが借金。だから借金はいけない。

たいがいの殺しは金がらみだ。その規模の大きいのが戦争だ。第二次世界大戦は石油を巡る争いだと言われるが、それもざっくり言えばカネの奪い合い。苦の原因はたいがい人間関係で、それがこじれるのもほとんどだカネだ。

カネが人生にとって必ず重要というわけではないが、あなどるとひどい目を見ることは間違いない。お金持ちは、けっこうお金に細かい。貧乏人に限ってお金に鷹揚だ。ケチだと思われたくないのだろう、その気持ちは分かる。人におごったり、祝儀をはずんだり、そんな人が金持ちなんだと、子どもの時には思っていた。だが、本当のお金持ちはむやみにお金をばらまかない。稼ぐことのたいへんさを知っているから、使う時もその価値があるかどうか、きちんと考える。使うべきと判断したら大金も投じるが、無駄だと思えば一円も出さない。お金の重みを感じない人は、何気なくお金を使い、借金も気軽にする。そしてどんどん貧乏に深く沈んでいく。

 おばさんの娘は、親と同じようにラクに稼ごうと風俗で働く。だが途中で気付いて、風俗をやめて普通のバイトを始める。クソみたいな人間ばかり出てくる映画だが、最後は感じよく見終わることができた。

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