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my select50 vol.8「Lewis Leathers- CYCLONE」
my select50の第8回目はレザーライダース
今回は、ハードなアイテム。
これは、Lewis Leathers(ルイスレザーズ)のCYCLONE(サイクロン)
不良が着るものです。
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Lewis Leathersは英国のブランド。その1アイテムのCYCLONEは1973年から販売されています。そろそろ50周年ですね。
1958年に登場した同じダブル型のライダース「LIGHTNING」に続く新しいモデルとして発売され、今も人気を二分しています。
綺麗に見える一枚革仕立て(※)の後ろ身頃と特徴的なウエスト・バンド付きのデザインが、当時はスタイリッシュなジャケットとして評判を呼びました。
※木材などもそうですが、一枚で1つのパーツを作るのと、数枚を継ぎ合わせて1つのパーツを作るのでは、当然1枚の方が見た目が綺麗で贅沢な仕様となります。
HPにもありますが、サイクロンはLewis Leathersの商品なので、本来はバイク乗りをターゲットにしていました。
しかし、そのスタイリッシュなデザイン(今ではクラシックですが、当時はスタイリッシュ)と、カラーバリエーションが豊富なことから、時代の流行であったパンクミュージシャンの間で人気が広がり、その後、ロックスターや俳優などにも愛され、その人気は今も続いています。
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私のはブラックですが、ターコイズやレッドもカッコいいですね。
ターコイズとか着てみたい。
レザーライダースは、近年流行傾向にあり、様々なブランドが提案しています。女性でライダースを着ている方も多く見かけるようになりました。
その中でもこのCYCLONEは現代では、筋金入りといいますか、流行とは遠いところを走っています。
例えば、サンローランのライダースなんかは、名品として有名で、ラグジュアリーブランドが手掛けるだけあって、着た時のシルエットや、着心地、重量感、素材などバンランスが良く、最高と言われています。
私も欲しいと思ったことが何度もあります。
※非常に高いので無理ですが笑
片やこのCYCLONE。
着る人を意識するなんてもってのほかで、「CYCLONEを着る奴がCYCLONEに合わせろ!」と言わんばかりのキャラクターを誇っています。いわゆる本格派向けといいますか。
まず、レザーが厚い!従って非常に重いです。
持つとびっくりする重さ。
そして、重いということは固い。着心地は鎧を着ているような重厚感があります。もちろん、この固さは、経年で柔らかくなっていき、それがレザーアイテムの楽しさでもありますが、それにしても購入直後の固さは凄い。
更に、言わせていただきますと、秋に着ると地厚なので暑く、冬に着ると思ったより暖かくない。むしろ寒い笑
丈は短めですし、首元の空きがあるので、防寒着としては最良とは言えません。かといって、中にたくさん着こんでからCYCLONEを羽織るのほど野暮ったいものはない。
文句を言っているわけではありません。それが、本来のライダース笑
昔のバイカーやパンクファッションが育てたアイテムだけに、やっぱり「不良っぽい」アイテムなんですよね。だから、寒いとか暑いとか言っちゃいけない。
確か、前のCHARVETのネクタイの記事で装うことは「我慢」と書いた気がしますが、このライダースも我慢とまでは言いませんが、ライダースを着る「矜持」みたいなものがあると思いましょう。
『風流とは、寒きものなり』
明治の小説家 斎藤緑雨のことばです。
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Lewis Leathersの商品は、既製品もありますが、サイズがない場合などは注文もやってくれます。裏地も選べるみたいですが、やっぱり赤が個人的に好きですね。
この赤が、脱いだときに、ドキッとさせてくれます。
「AVIAKIT」は、航空の意味を指す「AVIATION」と、装備の「KIT」を足して生まれた造語。イギリス空軍に納入していたからとも言われています。
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先端がスタッズ止めになったウエスト・バンド。強度が十分なので、しめても良いですし、しめないでたらしておいても様になります。
私はしめない派です。
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袖のジッパー・ポケットとジッパーもクールです。銀色で目立ちそうですが、デザインがシンプルなので、程よいアクセントでとどまっています。
ジッパーをしめるとしっかりとフィットし、風の侵入を防ぎます。
だからと言って、決して着ていて暖かいライダースではありません。
しつこいですね。
Lewis Leathersの商品はCYCLONEに限らず愛好家が多く、それぞれが想いをもって着ているので、今回の私の記述が正しいとも言えませんのでご了承ください。
そんなに安いわけではありませんが、一生着れるアイテムなので、買って損はしないかと。
ちなみに、個人的にライダースが一番似合うと思う日本人は『川久保 玲』です。
COMME des GARCONSのデザイナー。
日本を代表するデザイナーであり、女性です。
川久保さんの研ぎ澄まされた感覚と、哲学的な雰囲気、ロックな性質、反逆性がライダースと重なって、とんでもなくシビれます。
「川久保玲 ライダース」で検索すると画像がいっぱい出てきますので、お時間あれば見てください。
CYCLONEじゃなくてもいいので、家に1着ライダース如何でしょうか。
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※少しやり過ぎですが、ネクタイにCYCLONEを合わせてみました。これで通勤です。