Tシャツに口紅(絵は鈴木英人さん)
大滝詠一作品に、最近癒されてます。
大滝詠一と松本隆で作った曲は、本当にロマンティック。
自分の今までの経験で、何か歌詞と近しいことがあると、曲の情景描写に自分を重ねて、あたかも自分が歌詞の主人公を演じているような気持ちになってしまう。そんな事が頻繁に曲を聴いていると発生します。
「恋するカレン」とか、「白い港」みたいに、大滝詠一自身が歌っているものの方が、哀愁があって僕は好きだな。
だけれども、マーチンが歌うこの「Tシャツに口紅」は例外で好きだな。
この曲はまさに大滝詠一と松本隆で作った曲で、情景描写がスッと頭に入ってきやすくて、小説を読んでいるような気分になる。
江ノ電沿いのモーテルで二人が揉めている。
別れを切り出して、けれどそれ以上を言わない男に、女が本気で別れるの?って聞き返す。
本心は別れたくないけれど、相手の人生に責任を持てない。
そんな男は、真剣に聞くなよって、聞き返す。
別れ話を切り出しておいて、別れたくない。
そんな、魅力あるクズの心情が良く描かれているなと思いました。
そして、その夜明けに自分たちの関係性を投影している。
この男の気持ち、少しわかります。僕も男だから。
けれども女からしたら、ちょっとそれは無責任だよって。それもそうだよねって、わかります。
ロマンティックって、男女間の性的かつ魅力的な雰囲気のことだと思うんだけれども、
そうだとすると、大滝詠一と松本隆の曲は本当にロマンティックだ。
ハートカクテル飲みながら、皆さんも是非、「Tシャツに口紅」、聴いてみてください。