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【親子ワーケーション3日目】家族ドラマが止まらない
千手観音に憧れる母は多いんじゃないだろうか。
腕が増えれば、つなげる手も、持てる荷物も、掴めるチャンスも、増えるかもしれない。
ワーケーション3日目、福井から主人が宿を訪ねてきた。
温泉に行って、おみやげのぶどうをたくさん食べて、4人で宿に泊まる予定だった。
宿についてご飯を食べているとき、なんとなくみんなが疲れていた。主人はビールを飲まなかった。
「うーちゃんだけ、連れて帰ろうか?」とわたしに言う。
2歳娘が「保育園に行きたくない」と連呼する様子や、荒れた宿の部屋を見て、なにかを察知したんだろう。
主人と娘は家に帰って、4歳息子とわたしは富山に残る。
これは、ちょうどいい選択かもしれない。
娘は、慣れた園で落ち着いて過ごせる。
息子は、やりたいことを自分のペースで進められる。
わたしは、気持ちに余裕が戻るし、2本の腕で、足りる。
主人はてきぱきと荷造りをして、娘を連れて帰宅する準備を進めてくれた。正直、名残惜しい気持ちよりも、ほっとする気持ちの方が大きい。
準備が終わって、玄関で見送る。
わたしも、息子も、泣いている。けど、大丈夫。2人で過ごす残りの日々も、きっと楽しくなる。
車のエンジンがかかった音が響いたとき、爆発したように息子が泣き出した。
「パパとお泊りしたかった、、、」
「保育園にいるときから楽しみにしてたの!うーちゃんのせいで、パパが帰っちゃう、うーちゃんのせいで」語気を強めて泣いている。
「そうだよね、そうだよね」
息子を抱きしめるわたしの涙も止まらない。
これはなんていうドラマだろう?
すぐに電話して戻ってきてほしいと伝えた。
今日はみんなで並んで寝よう。
明日のことは明日考えよう。もうね、なんとでもなるんだから。
これはなんでいうドラマだろう?
これは、家族、だ。
受託仕事はあと少しで片付く。空けておいたスケジュールは子どもたちとの時間で埋めよう。ワーケーション日記も、結局育児日記じゃないか。
腕が1000本あっても、たぶん状況は変わらない。
わたしはどうしようもなく、母だ。
明日は、保育園をお休みして、出かけよう。
かぶとむし博物館、やぎ牧場、まだ行っていないところがたくさんある。2本の腕で子どもたちとの夏を掴みに行く。