朗読のための詩 ”ボーンズ ビーンズ ビーンズ”
ボーンズ ビーンズ ビーンズ
ボーンズ ビーンズ ビーンズ
生まれ 生まれ 生まれ
この世は 生まれ 生まれ 生まれ
あなた あなた あなた
とわたし わたし わたし
白い花 黄色い花 赤い花 青い花
それは 今の今、
わたしが あなたに 出会うとき
あなたは わたしに 出会う
悲しみは、あなたがいるから
わたしがいるから 生まれ
歓びは、あなたがいるから
わたしがいるから 生まれる
祈りは、だが 豆のように
光の届かぬ地下水脈から
幾本もの蔓を
夜空へ伸ばしていく
ボーンズ ビーンズ ビーンズ
詩人たちが夜な夜な呟く繰り言は、
この地中の種に
運ばれて行った
死すものあらず、
地下の扉を開けては締める門番が
合言葉をいう
死すものあらず、わたしたちは
生まれ 生まれ 生まれ
出会い 出会い 出会い
悲しみ、笑い、慈しむ
形あるもの、心あるものと
悲しみ、笑い、慈しむ
Arim
✳第5回 詩の朗読カフェ「クラムボン」にて 於甲府