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夢見ること…

心が動く、とはどういうことだろう。…
いのちを頂いて、陽のなかを歩いて
いくのです。夜も半分あります。
明るい昼間も半分あります。
晴れ間から覗く青空を、いつも探して
しまいますが、雨の日にも、雲が空を
覆う日にも、いのちは包まれています。

新しいいのちが生まれる時、
その心の胚芽の核には、夢の欠片が
忍ばせてあるのです。
核とは完全な円ではないのです。
夢の欠片がくい込んで、少し傷が
つけられた種であるのです。
種とは、小さな傷から芽をだすのですから。
発芽の最初の裂け目は、夢の欠片が
くい込んだ傷跡なのだと思います。

だから、いのちは皆夢を持って生まれて
います。自分の色を身につけること。
浅緑や深緑、黄色や白や紅色の花となり
咲いてみる夢。
動物であれば、もっと自由な自分になって、
植物や他の生き物や誰かと会うことも
夢見ていると思います。
人はさらに、自分が誰かのために何かが
できることを夢見。誰かを笑顔にしたくて、
誰かのために泣いたり、誰かをそっと思い。
そんな優しい夢も夢見るいのちです。

心は、生まれる時の、そんな夢の核を
いつまでも大切にしまってある場所なのです。
心は動きます。太陽を追う向日葵のように、
暖かな陽射しのような場所に、
触れたいと思っているのです。愛とは、
他者を思う気持ちです。夢の形なのですね。…

#エッセイ

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