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時の夢
石の中に、時間は留まる。
“時“は流れるものだけれど、もしかしたら留まる場所を探しているのかもしれないね。
石の中に、葉っぱの上に、種の中に、“時“は自分の部屋を探してる。
“時“に触わると、でもね、火傷をするように、何もかも変化をしてしまう。
だから“時“には囲いが必要なんだ。閉じ込められた“時“は、夢を膨らませる。石の夢、種の夢、本当は星もそうだ。星の夢は膨らんでいるはずなのだが。
人間は“時“の外傷を負ってばかり。“時“に触れ老いて変化していくばかり。“時“を心に包んでご覧。石が教えている。
心に積もる“時“の夢は、人の想いの美しい結晶を作るはずだ。人が大切に思うこと、愛おしく何かを包み込むこと。そこに“時“は結晶を作る。“時“は発酵を繰り返して。きっとその“時“の宝石は、永遠というものになる。
#エッセイ #詩 #現代詩