水溜りに石を投げ込んでは
逃げていく子供がいるのだけれど
実は
虹を作っているのだと思わない?
人に見られたら成就しないという
祈りへのオマージュのように
誰もいなくなると、
いたずらっぽい笑を浮かべて
またやってきて
何回でもポトーンと、
石を放る
少年が投げる石の放物線には
やがて、光があたり
足元から伸びていく物語を
風が見つける
虹色の竜巻をときどき起こしては
風は石の曲線を
伴走していく
葉っぱたちも
ゆらゆら
風が置いていった光を跳ね返しては
石の放物線をなぞっている
#詩 #現代詩