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Essay

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いろいろな場面で、不思議に思うことって多々ありますが、時々、散歩するみたいに考えてみたくなるのです、いえ、感じてみたくなるのです。答えのあるような、ないような文章を書き進めながら…
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2017年7月の記事一覧

驟 雨

驟 雨

にわかに雨足が強くなり、
辺りが見る見る白い雨煙に包まれ、
立ち止まらなければならなくなる時がある。
それまで、せわしなく動いていた時間というものが
少しフェイドアウトするような。

時間は、決して閉じられていくわけではないが、
前に進んでいくのをちょっと躊躇させる、
そんな時雨(しぐれ)であるのだと思う。

待てばいい、信号が青になるのを待つように。
雨降りには、雨降りの哲学を学び。
前が何も見

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草のことなど、とりとめもなく…

草のことなど、とりとめもなく…

薬草、という字は、草で楽になるとも、
草が楽しいとも、そんな意味の字であるな
と思いながら。

茫茫たる草むらに立つと、草の匂いに包まれる。
そして辺りが緑色に霞んで見えてこようか。
草の背丈に合わせて身をかがめ、気が済むまで、
小さな植物の葉や、穂や種や花やを見ていると、
すっかり植物的思考に染まりそうで、楽しい。
少しは緑色の化身に近づけただろうか。などと思い
日常に帰還することしばしば。…

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5か10か…

5か10か…

先日人と話をしていて、…その中で0か1かではなくて、
5か10か、なのだという冗談混じりの話をしていて。
その後、少し尾を引いて考えていた。

…0か1かというのはとてもシビアな選択である。
(0は無限、という話ではなくて単に、0のことと
して考えるのだけれど)
あるかないかなのだから、断言は責任重大である。
本当は多くの事象は、あるかないかのあわいに
その存在意味が際立ってくるのであり、大事だと

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