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Arim(ありむ)
2019年1月22日 06:12
ジョンは、教えてくれた薄曇りの雲のあいだに黄金色の太陽があらわれたら砂の上に線を引いて 歩きだせと、悲しみと喜びと赤色と青色と情熱と静寂と正反対のものを重ね合わせて新しい線を引けとお城もできるし天国への階段も伸びる秘密の音階も白と黒からはじまるジョンはヨハンともファンとも呼ばれる #詩 #現代詩
風の羽に乗りたいと思うことがある風は 羽だ鳥は 時々立ち止まりそうになるすると風は鳥に、その透明な1枚を分けてあげる鳥は 風のはざまに生まれてくる風がふうーっと息を吹きかけるとまた1羽 また1羽新しい鳥が 生まれている #詩 #現代詩
2019年1月19日 02:01
時の雫をガラス瓶に1滴2滴と溜めていく時の雫が入るとそれまで透明だった瓶は青い色に変わる誰が集めだしたのかわからないのだが青いガラス瓶が町はずれの公園の樹齢900年の木の枝にぶら下げられているという青い実のように何本も何本もその木を見たいと思っておりますコトンコトンと鳴り響く水音が聴こえてくる方へ歩きながら、行ってみる1本だけ、あの青い瓶を分けて貰えないでしょ
時の移ろいの中で何度も立ち止まる私の落とす影に蟻が忙しく動き回る歩を静止することも宇宙の奏でる音楽のひとつのように静寂な自分を取り戻そうとすると、空白の隙間に風がたくさんの命を運んでくる鳥たちが舞い降りる #詩 #現代詩
2019年1月2日 18:08
眠り苔という苔があってお正月になると1日だけ光りだす眠り苔が自生する昔ながらの村。眠り苔が屋根を覆っているどこの家も、人々は寝入っている伝説の村初老の郵便配達人が正月2日の朝だけこの村を訪ねるのだが屋根の苔は光だし村人が家の外でおめでとうと挨拶を交わしている眠り苔に守られた村1年に1日だけの目覚めを悲しむことはなく祝福の記憶を重ねていくこの星に殺
2019年1月1日 23:48
希望の言葉をどこかへ置いてしまい雑草がその上を蔓延りもう探すことが出来ない時に夕暮れは容赦なく暗闇へと変わりその記憶さえ塗りつぶしていった。星の匂いを嗅いだことがあるかと尋ねられて、誰に問われたかは忘れてしまったけれど答えを探していたことは鮮明に覚えている。“白い小さな花だ、土に埋もれそうになって、細い茶褐色の葉の裏に咲いていた花。その匂いは星の匂いがした“と答えようとし