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2018年4月の記事一覧
Poem)たまゆらの野
赤い花が咲いていた
枯れ野に一輪、咲いていた
詩人はたまゆらの野を
さまよった
後ろ姿に声をかけてはなりません
古(いにしえ)の約束事には
後悔では済まぬ深い闇が
いつでもひらいている
時間の軸が方向を変えて
しまうエネルギーの核が隠れている
地雷を踏まぬように、
雨風に消えゆく寸前の
人の形をした足跡を辿って行く
前を歩く詩人の撒く種が
地面から吹き上げる風に
ほうぼうへ散らばっていく
赤
Poem)石の放物線
水溜りに石を投げ込んでは
逃げていく子供がいるのだけれど
実は
虹を作っているのだと思わない?
人に見られたら成就しないという
祈りへのオマージュのように
誰もいなくなると、
いたずらっぽい笑を浮かべて
またやってきて
何回でもポトーンと、
石を放る
少年が投げる石の放物線には
やがて、光があたり
足元から伸びていく物語を
風が見つける
虹色の竜巻をときどき起こしては
風は石の曲線を
伴走し