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[12日目 舞台装飾班] ステージ設営の話

はじめまして。VLL(バーチャルライブ研究会)所属のアリです。
『[ほぼ日刊] MIKUECを作ろう』も今日で12日目。そろそろ、ライブが出来上がって来たのではないでしょうか。全ての記事はマガジンでまとめてあるのでそちらをご覧ください。

今回は、出来上がったコンテンツをより良く見てもらうためのステージの設営・装飾につての話です。

余談ですが今、鏡音14周年アニバーサリーで熱が上がってるので作業のお供はJunkyさんの『ノスタルジア』です。リンちゃんカワイイ。
もし、よろしければ推し曲でも流しながらゆるりと読んでやってください。


舞台装飾班とは?

舞台装飾班とは、舞台(ステージ)装飾をする班です。MIKUECの会場である講堂は、本来大人数での講義や集会を行うためのもので飾り気のないものですが、そこをミクさんたちが立つにふさわしい最高のライブステージにするために活動してきました。実はこの班は、今回のMIKUEC2021にあたり新設されたもので、何をすべきかも分からないまま手探りで進んできました。しかし、結果的に良い感じのステージでミクさんたちに歌って踊ってもらえたんじゃないかなと思います。その姿を来場者の方々に見ていただけて本当に良かったです(リアルライブじゃないとこの班の存在意義がないので……)。そんな、MIKUEC2021のステージへのこだわりについて語って行こうかなと思います。

普段の講堂


MIKUEC2021ステージ

ステージを作るにあたり、まずたくさんのライブを見てみました。マジカルミライやニコニコ超パーティーは勿論、高田夜サクラミクライブなどのファンメイドライブ、ボカロ(広義)以外のアーティストのライブなどジャンルを問わず参考にしてみました。オンラインライブなどが増えた影響で資料がたくさんあるのは幸いでした。

そうしてまず取り入れることが決まったアイテムが、『トラス』です。これがあるだけでかなりライブステージ感が出ましたね。ちなみにこれは四角アルミトラスというもので、ベースプレートの上に立てて置くだけで設置できます。アルミなので一人でも持てるくらい軽いです。大きさは底辺が20 cm平方、高さ2 mです。このトラスには、スクリーンの端の部分を隠す狙いと、視線をステージ中央に誘導するという狙いがありました。イラストや写真なんかで使われる、フレーム構図というやつです。フレーム構図にはフレーム内のものを引き立てる効果の他、外の中の世界を対比させて世界観を作る効果なんかもあります。これによってライブへの没入感を上げることが出来たんじゃないかなと思います。

また、もうお気づきだとは思いますが、トラスにはたくさんの歯車がついています。これは手作りしました。リハーサルなどで集まった時に100均で買ってきた材料を切って塗ってして作りました(3Dプリンタとか使えたら楽だったんでしょうけど、お高いし時間かかるんです……)。今回はテーマがタイムトラベルという事でメインビジュアルで歯車がたくさん使われていましたので、こういった装飾にしましたが、来年もトラスの装飾をするのであればどんな風になるのか楽しみです。

もう一つのこだわりポイントはスクリーンの下の部分です。なんて呼べばいいんでしょう……。作業するときはステージって呼んでたんですが、文章にすると混乱するので、天板と書くことにします。天板の話をする前に、どのようにスクリーンが設置されているかの話をしましょう。

トラスとかスクリーンの下にあるのが『天板』

MIKUEC2021のスクリーンは過去のMIKUECと違い、アクリル板に農ポリと呼ばれるシートを張り付けたものです(詳しくは https://note.com/p4stela/n/nd1d9496b1f89)。これを元々講堂の天井からつり下がっているバトン(本来は照明や幕を吊るすためのもの)に吊るしています。アクリルは縦:横=2:1 mの大きさで、計7枚利用していますから全体のスクリーンサイズは縦:横=2:7 mとなっています。設置方法としては、アクリルパネルの上部にあけた穴に結束バンドを通しバトンに吊るし、隣り合うパネルの下部にあけた穴をヒモで結ぶと言った感じでした。

ここでやっと天板の出番です。このスクリーン、写真のように少し傾いています。これをすると、ペンライトとかの反射光が客席に向くことを押さえられるそうです。
こうして、天板を設置することでトラス同様のフレーム効果の他、前後の天板の位置を調整することでこうした反射を抑える効果も得られました。そのほかにも、天板を足場に出来たのでスクリーンの設置作業が些か楽でしたね。

その他、工夫したポイントとしてはステージ全体に暗幕を張った事です。照明がステージ上を照らす時、元々の講堂のフローリングの部分が見えるより黒い方がカッコいいじゃないですか。床だけでなく、プロジェクターを置いている台にも暗幕をかぶせて全体の見栄えが良くなるように工夫しています。簡単なことではありますが、こうした部分をこだわりことでライブの見栄えがグッと良くなるなと感じました。

後方の席からでも見栄えが良いと思う

こだわりポイントとしては以上の三つになります。たったこれだけかよ、と思った人もいるかもしれません。実際の、特にボカロ(広義)ではないライブだともっと凝った舞台装飾が施されています。しかし、個人的にはMIKUEC2021においてこの装飾で良かったのではないかと思っています。今回のライブは壁に映像を映したり、スクリーンにミクさんたちのモデル以外の映像を透過したりと多くの視覚的情報が追加されました。ですが、そういった要素にミクさんたちが溺れてしまって映像の一部になってしまっては、ミクさんたちのライブではなくなるような気がします(部員の誰かの受け売りです)。だからこそ、MIKUEC2021は視覚情報を押さえたシンプルな舞台装飾で正解だったのではないかと思っています。

とは言え折角、班として発足したのですからもっと豪華な装飾を見てみたい気持ちも無きにしも非ず。来年度以降のMIKUECでどんな舞台が作られるか今から楽しみでなりません。


舞台装飾の内部事情(新歓向け)

舞台装飾班は班と名前はついていますが、非常に括りが曖昧です。トラスにつける歯車づくりなんかは、「君、暇?暇だよね?」みたいな感じでリハ中に時間ある人に手伝ってもらっていました。スクリーンの設置なども班関係なく手が空いている人で行うという感じです。なので、舞台装飾班の仕事は「こんなステージにしたいという案を考える事」になります。何の技術も要りません。こんなステージでミクさんたちに歌って欲しいな、というイメージさえあれば誰でもできる簡単なお仕事です。

何かコンテンツを作ると言う訳ではないので、舞台装飾班のメンバーは兼任しかいません。何か他の班でメインの活動をしていて、サブとして舞台装飾に入っているという形です。これを書いている当人も一応、イラスト描いたり、映像作ったりしたました。装飾は全体の演出等に関わってくる部分なので、話し合いをするときなど色々な班の人がいると逆にスムーズだったりします(特に演出、照明、映像機材とのつながりが多いかなと思います)。

別に班の兼任は舞台装飾に限った話ではないですし、少しでも興味がありそうな分野があったら軽率に参加してみると良いと思います。どんな班があるのか気になったら、他の『[ほぼ日刊]MIKUECをつくろう』記事も読んでみて下さい。


次回は映像制作班です!

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