錦鯉とマッサジルと
あちこちオードリーに錦鯉が登場。なんと言っても長谷川さんのキャラクターが印象に残りやすいのだが、私は長谷川さんが以前組んでいたコンビ「マッサジル」を思い出す。
初めて見たのはおもしろ荘かオンバトか。おもしろ荘では北海道出身ということで、タカアンドトシの後輩として紹介されていた。後輩ということでフレッシュさに注目してほしいとのフリからの、上下つなぎ姿に30代半にしては老けている見た目の出オチ(個人的には相方さんの方がより老けてみえた)。
オンバトでもおもしろ荘同様上下つなぎ姿とそれに相応しい老け顔での出立ちで何かイロモノなコント師感を纏っていたが、まさかの歌ネタ漫才。格好とネタの不釣り合いさと割とオーソドックスなツッコミというアンバランスさが妙に面白くて私は好きだったのだけど結局泣かず飛ばずでいつの間にか解散。そうして記憶から消えていくのはまあよくあること。
こう言ってしまうと当事者には失礼なのだがたまにそんなに有名か?という人たちがYahoo!ニュースのトップを飾っているなと思うことがある。数年前におそらくまだ世間的にも無名であろう錦鯉というコンビのメンバーの元相方が死去したというニュースを見た。写っている宣材写真をあ!あのマッサジルの!と思い出した。まだ40代で若いのに...というのと遺された長谷川さんのそれ相応な歳のとり方、それでもってまだ芸人を続けているのかという思いとでなんだか無性にヒリヒリする思いをした記憶がある。ナイツの塙さんが自身のYouTubeチャンネルのM-1解説回で話していた長谷川さんの人物像が生々しかった。
30歳近く年下のニコルさんにテレビでの教えを乞うテレビの社会性の不足ぶりをいじられる一方、30年バイト状態で若手に泣かれ、「俺みたいになるな」としくじり先生ぽくなるのもどちらも長谷川さんの生き様。若林さん好きだろうなとなんとなく想像する。ある意味若林さんよりも長い長いモラトリアムを過ごして着ているもんな。テレビ的にも50近くでブレイクし始める芸人さんて稀なんだろう。これからどういう爪痕を残していくのか。僅かながら昔を知る人だけに密かに注目している。