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ドローン活用とガバナンスについて

空を拓く責任

近年、ドローンの技術革新と普及は目覚ましい速度で進み、物流、農業、インフラ点検、災害対策など、様々な分野で活用が進んでいます。空を自由に操るドローンは、私たちの生活に新たな可能性をもたらし、社会変革の鍵となる存在と言えるでしょう。しかし、その一方で、ドローンの安全性やプライバシー侵害などの課題も浮き彫りになっています。

ドローン活用の恩恵を享受するためには、技術的な進歩と同時に、社会的な責任を担保するガバナンスの構築が不可欠です。本稿では、ドローン活用の現状と課題を概観し、ガバナンスの重要性と具体的な取り組みについて考察します。

橋梁

ドローン活用の現状と課題

ドローンは、人の手では困難な作業を効率化し、新たな視点やデータを収集するなど、様々な分野で活躍しています。弊社も、創業以来様々なプロジェクトを実施したり、サポートしたり、いろんな障害を乗り越えてきました。その経験から活用シーンから振り返ってみましょう。

ダム

多様な活用シーン

ドローンはすでに様々なシーンで活用されています。TVや映画で空撮映像を見ない日やシーンはほとんどないと言っても言い過ぎではないと思います。弊社も、TV等の撮影の依頼受けることがあり多様な空撮業務を行っています。

  • 空撮  :空撮映像の撮影と映像活用

  • 災害対策:被災状況の把握と救助活動

  • 農業  :鳥獣対策や農薬散布や育成状況の把握

  • 施設点検:橋梁や建設物、送電線等の状態確認

  • 警備  :不審者や施設の侵入検知

  • 物流  :ラストワンマイル配送や災害時の物資輸送

  • 測量  :地形や建物の形状計測

  • 講演  :ドローンに関する講演

潜在する課題

活用に伴い、大きな事件事故がありました。官邸をドローンが襲撃した際には、大変大きな事件としてメディアを賑わせたのはもう10年ほど前でしょうか。当時、官邸を見下ろすビルで勤務しておりましたので、官邸へリポートを覆ったブルーシートは今も忘れません。

  • 安全性:墜落事故や人身被害への懸念

  • プライバシー侵害:盗撮や個人情報の悪用

  • 法規制:飛行ルールや機体認証の複雑化

  • テロ対策:悪意のある利用によるテロ行為

  • 倫理:ドローン利用における倫理的なガイドラインの策定

ついでにこの記事を書いていて2点ほど思いだした記憶があります。観光地で撮影を行った際、高所から露天風呂を撮影したのですが、人がとても小さく映り、夢と希望が砕け散った切ない思い出。もう一つは、政府機関での議場で、ID化推進の話をしていた時に、テロリスト対策としても有効とまじめな顔して熱く語る官僚に「ルールを守る人にルールを守る人はいないですよ」と白熱した議論(バトル)を行って、それ以来呼ばれなくなった若かりし頃の思い出があります。
さて、本題に戻りましょう。。。

ガバナンスと経済の重要性

これらの課題を克服し、ドローン活用の恩恵を最大限に享受するためには、技術的な安全性向上と社会的な責任を担保するガバナンスの構築が不可欠です。ガバナンスは、関係者間の合意形成、ルール作り、責任の所在明確化などを通じて、ドローン利用を健全に発展させるための枠組みは以下の項目ではないでしょうか。

ガバナンス要素

  • 安全性確保:技術基準や操縦者資格の整備

  • プライバシー保護:個人情報保護法の遵守

  • 法規制の整備:飛行ルールや機体認証の明確化

  • 国際的な連携:国際的なルール作りへの貢献

  • 倫理的なガイドライン:ドローン利用における倫理基準の策定

事業として取り組むには法令順守が当然ではありますが、新しい産業に取り込み社会へ貢献するという意義が必須の時代ですよね。

ガバナンスの取り組み

国際的な取り組み

国際民間航空機関(ICAO)は、ドローンの国際的な運用ルールを策定しています。ICAOは、ドローンの安全性、セキュリティ、プライバシー保護などを考慮した「U-space」と呼ばれる概念を提唱し、各国におけるU-spaceの実現に向けた支援を行っています。

各国の取り組み

欧米諸国では、ドローン活用の促進と課題解決に向けた積極的な取り組みが進められています。

  • 米国:連邦航空局(FAA)は、ドローン飛行に関する規則を整備し、U-spaceの実現に向けた取り組みを進めている。

  • 欧州連合:欧州航空安全庁(EASA)は、U-spaceに関する規則を策定し、ドローン活用の安全性を確保している。

  • 日本:国土交通省は、ドローン飛行に関する規制を緩和し、U-spaceの実現に向けた検討を進めている。

日本の課題と展望

規制緩和と社会受容性

日本では、2022年6月に改正航空法が施行され、ドローンの飛行規制が緩和されました。しかし、人口密集地域での飛行や目視外飛行など、依然として多くの規制が残されています。ドローン活用の更なる拡大には、規制緩和と社会受容性の向上が必要です。

ガバナンス体制の強化

安全性確保、プライバシー保護、法規制の整備など、ドローン活用の課題解決に向けたガバナンス体制の強化が求められます。関係者間の連携を強化し、技術的な安全性向上と社会的な責任を担保する仕組みを強化が必要です。

産学官連携による技術開発と人材育成

ドローン技術の更なる進歩と人材育成は、ドローン活用の未来を拓く重要な要素です。産学官が連携して、安全性向上、自動飛行技術の開発、操縦者や整備士の育成などに取り組む必要があります。

社会的な合意形成と倫理的なガイドライン
ドローン利用は、様々な倫理的な問題を孕んでいます。個人情報保護、空の所有権、テロ利用への対策など、社会的な合意形成に基づいた倫理的なガイドラインの策定が急務です。

ドローン社会の実現に向けて

ドローンは、社会変革を牽引する可能性を秘めた技術です。技術的な進歩と社会的な責任を両立させ、ガバナンス体制を強化することで、安全で安心なドローン社会を実現し、豊かな社会の発展に貢献することが期待されます。

まとめ

道徳なき経済は犯罪であり、経済なき道徳は寝言である
これは、二宮金次郎が残した名言ですが、ドローン業界だけではないですが、全ての新規事業を行う担当者全般がこれをベースにしなければならない言葉です。

特に、ドローン・ロボットはまだまだ市場に入り切れておりません。しかし、事業としては”種をまかなければなりません”
共に、マーケットや自らの財布を原資にして耐えてきていると思いますが、事業当初の価格が市場に転化されきれていません。

これからは付加価値は当然ですが、ドローンの良さを経済担保される価値として提供するように心がけなければなりません。
市場に受け入れられる前から過当競争が行われている現在は正常ではありません。

安全と法令順守をモットーに進めて行きましょう!

今後は、ここまで小うるさい話ではなく、活用の枠を解説して参ります。

もっと話を聞きたいことがあれば、コメントや弊社までお問い合わせください。