レイデオロ産駒を味わい尽くしたい
「ぼかぁね、レイデオロ産駒を味わい尽くしたいんだよぉ」って書くと大泉洋の声が聞こえてきませんか?そうじゃない?あっはい。
レイデオロの血統概要
レイデオロを味わい尽くすにはまずはレイデオロのことを知ろう!ということで私らしく血統の方から確認していきましょう。
3代母ウインドインハーヘアは言わずと知れた名牝にして名繁殖牝馬。
5代母Highchlereに遡るとBaaeedやバゴの父Nashwanといった名馬にも繋がる。
Gold Digger≒BramaleaとNashua≒Nantallahの相似配合によって発生する「Kingmambo×Roberto」ニックスを持ち、馬力に優れ機動力に長けた形になっているのが第一の特徴。
それでいながらMr.Prospectorの3×4クロスを持つことでNasrullah≒Royal ChargerによるMumtaz Mahal的なスピードを引き出している。
「Mr.Prospector×Buckpasser」の形を有するSeeking the Goldをシンボリクリスエス内のTri Jet-Jester-Tom Foolで増幅することで瞬発力源を取り込んでいるのも1つのポイント。
上記の血統表外にはなるが、Alzaoの母父Sir IvorはRoyal Chagerを父祖に持ち、Sun Princess≒Mahmoudの配合からサンデーサイレンスの父であるHaloに酷似する格好になる為これがまた1つ瞬発力のアクセントとなっている。
…とまぁそんな具合でサンデーサイレンスを内包しないけど馬力と瞬発力を上手く蓄えることで成功したキングカメハメハ産駒、というのがレイデオロの評価血統的な評価といったところじゃないでしょうか。
そもそも何で味わい尽くしたいとか言い出したのか
時系列が完全に逆になってますが、なんで急にこんな話をしだしたのかという所です。
まぁ見るもん見てもらった方が手っ取り早いんでまずはそこからにしましょう。
それがこちら。
何ですか種付け頭数39って。
これ、晩年に差し掛かってるから制限しているとかそもそもの受胎率が悪い(某何とかティックフレうんたらさん)からとかそんなんじゃないんですよ。
供用4年目、初年度産駒がようやっと3歳になったってタイミングで前年から100頭以上もの数を減らしている訳ですよ。
正直な話レイデオロにこれといった思い入れは無い(強いて言えば現役の走りを生で見ることが出来た)のですが、とはいえ世代の頂点に立ったダービー馬である訳でして、まして社台SSにスタッドインしたそれをロクに味わうこともなくはい終了は流石に味気ないと思う訳でございます。
これは大泉洋の声真似の1つでもしてあのセリフを言わなければなりません。
なんとかインチキ(産駒が活躍)できんのか
種牡馬レイデオロの問題点を考える
てな具合でなんで種牡馬レイデオロがよろしくない感じになっているのかを考えてみましょう。
1.BMSディープインパクトに期待をかけ過ぎていた
名牝ウインドインハーヘアクロスというところで期待を寄せ過ぎていた所はひとつあるのではないかというのが思う所ではあります。
現3歳馬でBMSディープインパクトのレイデオロ産駒は27頭居てデビュー出来た馬は24頭。
内JRAで勝ち上がりが出来たのは4頭、2勝馬は1頭となると流石に寂しいものがあります。
馬体重で見てみるとデビュー戦の平均馬体重は446kgとやや小振り。
最高馬体重の馬で520kgの馬もいるのでひとまとめには言えないが平均未満の馬体重の馬が12頭おり、3頭に至っては400kgを下回っているとなると非力で加速力に乏しい部分が出てきて苦しむというのも理解できなくはないかなというのが雑感です。
そもそもの話としてウインドインハーヘアはディープインパクトを血統的に考えた際、スタミナ源として機能している血。
その血がクロスし強調されるとなると小柄で非力な馬が出てくるのは寧ろ止む無しかなとも思ったり。
ただ、そもそもの父キングカメハメハ・BMSディープインパクトもそこまで良いかと言われると大して良い訳でもないのでここは留意点。
ディープインパクト・BMSキングカメハメハは結果を出してはいるものの9割方所謂''金子真人血統''でこちらも決して良好とは言えないのもポイント。
2.短距離馬おりゃん
今度は何の縛りもなく賞金順に3歳馬を並べてみました。
マイルで走った(勝った)馬はそこそこおるけど、スプリンターおらんくね?
少なくとも上位20頭での最小勝利距離はマイルを下回ることはなく芝ダート問わず1600m止まり。
上位40頭まで広げると1400mで勝ち星を挙げた馬がいるものの中央では1頭のみ、馬券圏内もポツポツ程度でやはり傾向は変わらず。
なんなら中長距離に偏りがあるまで。
じゃあお前父のキンカメの初年度産駒はどうだったのよと言われると然程快速馬が出ている訳ではないのだが、それでもフィフスぺドルが函館2歳Sを制し、スガノメダリストが2歳時に芝1200mで2勝を挙げているのでやはり父とは傾向が異なるのは間違いないといって差し支えないだろう。
問題点から考える種牡馬レイデオロの所感
1.多分ミオスタチン遺伝子がTT型
ミオスタチン遺伝子なるものをご存じだろうか。
ここで懇切丁寧に説明をすると長くなってしんどくなるので超絶ザックリと説明させてもらうとTとCから成り、CC・CT・TTの3つに分類される。
どういう形で仔に反映されるかは人間の血液型A・B・AB・OからOを無くして優劣を撤廃して考えてください。要するにメンデルの法則から分離の法則で考えるんだ。関係ないけどみなさん高校の理科目は何にしましたか?私は文系なのでありませーんwwwwで、このミオスタチン遺伝子がTが筋力の増強を抑制する遺伝子に当たる為、TT型となると簡単な話マラソンランナーみたいになり逆にCC型は短距離走を走る選手みたいになると思ってもらえば話は早いと思います。
さてこのミオスタチン遺伝子、レイデオロはTT型の可能性が高いのではないでしょうか。
中央でマイル未満の距離で勝ち星を挙げた馬は本当に数える程度で地方に行ってもその傾向は大きく変わらず。
となると母がコテコテのスプリンターでCC型だとしても仔がCT型にしかならないTT型という風に考えるのが妥当ではないかと思います。
仮にCC型の肌馬を宛がっても産まれてくる産駒はどう転んでも中間のCT型になり結果として中長距離指向に、CT型の繁殖牝馬相手では単純な確率論で言っても3/4はTT型・1/4はCT型となる為マイル以下での勝ち星を挙げるのに苦労するという構図はあって不思議無いと考えるところです。
2.Kingmamboクロスを作りにくい・Robertoクロスじゃ短距離指向にし辛い
「とりあえずスピードとパワーをゴリッと盛ってどうにかしたい」訳だが、それを考えた時にまず思いつくのがMr.Prospectorに欧州名マイラーにして名牝Miesqueを配したKingmamboをどうにかしたいというのが思う所。
Mr.Prospectorから話を始めても良いのだが、より強い存在感を出したいという所でここは割愛してKingmamboから入らさせて欲しい。
KingmamboはNearcoとNative Dancerのクロスによって馬力を強化されている傍らGraustarkやSanctus・Princequilloといったところからマイル前後を一息で駆け抜けられるようなスタミナを充補されており、更にMumtaz Mahal的な所にBold VentureからUltimusを介して快速の血を加え入れることでMr.Prospectorの万能性から馬力とスピード・底力に振ったある種のハイペース耐性を主張する形の配合系となっている。
これをクロスさせるというのはレイデオロを短距離指向にするのに使わない手は無いだろう、と思うのだがこれが存外難易度が高い。
というのもこのKingmambo、日本ではキンカメ系として力強く根付いているもののどういう訳か世界的に見ると直系は淘汰される傾向にあります。
キンカメ以外の有名処だと2005年ジャパンカップを制したアルカセットは2世代が走った時点でそもそもの勝馬率が中央・地方合わせて40%弱に留まる等低迷、後に輸出。
レモンポップを輩出したLemon Drop Kidはアメリカでビーチパトロールを輩出するも日本へ輸出され、日本国内での産駒の活躍にほぼ全てを委ねられている状態。
何より日本でキンカメに並んでKingmambo産駒として名高いエルコンドルパサーは早逝により多くの仔を残せずといった状況。
辛うじて産駒からは所謂後継種牡馬としてヴァーミリアンが出るもその先は皆さんも知るところ。
他にもDubai DestinationやHenrythenavigator等大物産駒は出るとそこからの広がりはというと、といった具合である。…そう考えるとキンカメってすごない?
目線を変えて直系でない所からと加え入れようといってもCamelotやBaaeed等々欧州中長距離路線で活躍した馬ばかりが目に留まりこれまた扱いが難しい。
そもそもKingmambo自身が1990年生まれであり尚且つタイミングとしては欧州ではSadler's Wellsが幅を利かせていたのも相まって程よいクロスを作ること自体が困難に思えてきます。出来ても中長距離志向感は拭えないだろうといったところ。
じゃあもう1つのパワー源であるRobertoを!といきたいところですが、こちらは手っ取り早くリアルシャダイやブライアンズタイム・シンボリクリスエス-Kris S.を考えると分かる通り日本では中長距離気質。
所謂北米ダート的な突進力や底力を伝えるSir Gallahad=Bull Dogクロスを持つもののこの両血脈は元を辿ると欧州で育まれたスタミナ血脈。
これを短距離向きにしようとするとこれまたひと手間ふた手間と掛かる訳です。
辛うじてBlameになってくると短距離馬感が出て来ますが、逆に無理矢理Blame肌の繁殖牝馬を用意します…?
こちらも直系に拘らなければDeploy等ありますが、そこまでのクオリティの血であればまずディープインパクトやドゥラメンテにキタサンブラック、今後だとコントレイルやイクイノックスが優先されませんかね…?
とりあえずなんとか活路を見出したい
インキーした時みたいに「ただまぁ打つ手は無いです」という訳では無いと思うんですよ。
そこで思ったことをつらつらと引き続き書き連ねてみたいなと思います。
1.Seeking the Goldに活路を見出す
Seeking the Goldの配合パターンである「Mr.Prospector×Buckpasser」は種牡馬としても活躍馬を多く輩出しており、他にMiswakiやWoodman等が有名です。
そしてこの組み合わせを持ったサンデーサイレンス系種牡馬が偶然か否かはわかりませんがおりましてですね、それがゼンノロブロイな訳です。
ゼンノロブロイのBMSマイニングも「Mr.Prospector×Buckpasser」の配合系で謂わばSeeking the Goldと3/4同血とも言える訳です。
これでもって軽さを与えるなりなんなり出来ないか、というのが1つ目。
で、それを検討しようにも第1世代は該当馬がたった6頭しかいないのでマジで配合系として良いのか悪いのかが読めない、だから分母を増やしてくれというのがここでの主張です。
2.ウインドインハーヘアクロスをゴリ押ししてみる・長距離路線で突っ張る
アドマイヤテラという成功例が出ちゃったんですもん、これが偶然なのか必然なのか、ディープインパクトを介さなかったのが良かったのかそれともディープインパクトを介しても良いのか或いはブラックタイドの方が良いのか、ディープからキズナに変わったらどう変わるのかというのは見極めていく必要がまだまだあると思います。
ディープインパクトだってマルセリーナこそ出ましたけど、同じ初年度産駒でもダノンシャークやトーセンラーの様に古馬になってからビッグタイトルを獲られる可能性だって捨てきれない訳ですから。
阪神大賞典や春の天皇賞でどれだけやれるのか等々余白はまだ余っているので現段階ではあまりネガティブな決めつけはしたくないですね。
寧ろ長距離砲として期待出来る等ポジティブな決めつけをしていった方が良いかなと思ったり思わなかったり。
終わりに・社台SSの営業マンさんへ
拝啓
10月も末になりすっかり冬の様相を呈してきておりますがいかがお過ごしでしょうか。
仕事柄相手の立場であったり様々な提案や思考をしなければならず何かと大変かと思います(元営業マン並感)。
ですが、私一個人の意見としては天下のノーザンファームが生産したダービー馬がこの様な形で終わってしまうというのは中々寂しいものがあると思います。
ですのでどうか種牡馬レイデオロの可能性を広げられるようなことがありましたらと思います(小並感)。
敬具
…え?天下のノースヒルズのワンアンドオンリーの時にも同じ話をしたかって?
うるせぇ!その時はnoteを始めていなかっtうわなにをすrくぁwせdrftgyふじこlp
-完-
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冬コミに持ち込む為そう遠くない内に返本申請をする予定ですので気になるなという方でコミケに行かないor行けない等ありましたらどうぞお早めに!
・ウマ娘 Ifの血統表
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・サンデーサイレンスって何?
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