新種牡馬で優位に立ちたいPOGの記事 フォーウィールドライブ編
この投稿は昨年末のコミックマーケットC103(冬コミ)にて頒布した「新種牡馬で優位に立ちたいPOGの本 Season24-25」に掲載しきれなかった種牡馬を解説・考察していく記事です。
今回はフォーウィールドライブ編です。
他の掲載馬は下記リンクよりどうぞ。
同人誌本編に関しては…
見たい!って方が多数ありましたらまぁなんか考えますが、今の所一切無いのでまぁ諦めてください( )
フォーウィールドライブの概要
父:American Pharoah 母:Funfair 推定ミオスタチン遺伝子:CC or CT
2017年3月1日生 米国産 Glenvale Stud生産
生涯競走成績4戦3勝
主な競走成績
2019
フューチュリティS GⅢ 1着
BCジュベナイルターフスプリント GⅡ 1着
フォーウィールドライブの血統概要
父American Pharoahは2015年にアファームド以来37年ぶりとなる米三冠を達成、同年にBCクラシックを制し「グランドスラム」を達成した名馬。
産駒は日本ではカフェファラオやダノンファラオ、リフレイム等がいる他愛国調教馬で仏GⅠクリテリウムアンテルナシオナルを制し2022年から日本で種牡馬入りしたVan Goghや豪GⅠヴィクトリアダービーを制したRiff Rocketを輩出するなど各国で活躍馬を送り出している。
母は米国で2勝を挙げており、4代母Shoshannaからは米GⅠフューチュリティS勝ち馬Just the Timeが出ている他ゴールドアリュール・ゴールスキー兄弟らの母であるニキーヤに繋がる牝系でもある。
Mr.Prospectorの持つパワーとスピード・柔軟さをDr.Fagerのスピード・Correlation・Princequillo・Mahmoudと積み重ねることでそのまま万能性を引き継いだFappianoを父祖とし、そこからNasrullahやMumtazu Mahalを介してスピードを高めつつ米国的なパワーを高めた1頭。
その中でもBluelarkspurやTri Jetといった素軽さがIn RealityやGraustark・Eight Thirty・Bull Dogといった各所に点在する米国的底力と共に引き立てられている。
4戦したのみ、しかも3歳になってからは一般戦で7着と敗れた後に立ち上げ直す過程で日本での種牡馬入りとなった為フォーウィールドライブの実際の本領は正直読みにくいが、デビュー戦の5.5F戦でコースレコードを叩き出すだけのスプリント力があるだけにミオスタチン遺伝子はCC型を有力に見ておきたい。
産駒の配合ポイント考察
シスキン・ノーブルミッション・タワーオブロンドンに続いてまたも非サンデーサイレンス内包馬である為、サンデーサイレンス持ちの繁殖牝馬との組み合わせが主になってくるのだが、それに先立って個人的に気懸かりになっている点を述べさせて欲しい。
それは父American Pharoahの産駒がどうにも早熟早枯れ気味であったり成長力に持続力があってもスイートスポットが異様に狭い傾向にある様に見受けられるという所である。
元々エンパイアメーカー産駒自体気性的に揉まれ弱い側面があるのだが、そこを考慮してもカフェファラオやダノンファラオにしても比較的癖の強い好走パターンがそれぞれ存在していた。
またVan Goghや本馬フォーウィールドライブの様に2歳時は快速っぷりを発揮してもシーズンを越して3歳になった途端に成長度合いによるものかは何とも分からないが、良さを急に失うタイプが少なくない。
恐らく血統概要で触れたIn RealityやGraustark・Eight Thirty・Bull Dogが悪い意味で作用している可能性がある。
この辺りの血は一本調子で「ハマると強いがダメになるととことんダメ」という面を強調するところがある。
そこで揉まれても我の強いタイプの1頭としてステイゴールドを挙げたい。
産駒のオルフェーヴルやゴールドシップに見て取れるようにとにかく手を付けられないタイプから良く言えば相手なり、悪く言えば真面目に走らないタイプ等中々に我の強い血であるが、逆にこの我の強さをぶつけてやれば気性的に前向きな方向に向かせつつノーザンテーストの成長力やサンデーサイレンスの俊敏さ・Princely Giftの持つ柔軟さ等機能的な部分でも補えるのではないだろうか。
牝系にもよるが、ディクタスはフランスの血で「欧米混血」という所にも上手いこと収まってくれるので悪くないのでは。
また、産駒のオルフェーヴルは母オリエンタルアートが5代目にRough Shodという血を持つ。
これはNureyevやSadler's Wells・Fairy Kingの牝祖Specialの母母にあたる為、フォーウィールドライブの5代目にあるNureyevを刺激してやることができる。
ドリームジャーニーも全兄弟故に同じことが出来るので初年度にドリームジャーニー持ちはいないが覚えておいて損は無いだろう。
ゴールドシップはゴールドシップでPrincely Giftをクロスしており、非常に欧州的な柔軟性に富んでいる。
ミオスタチン遺伝子がTT型とされている為繁殖牝馬がTT型かCT型のどちらかになることからTアレルを引っ張りやすいのも良さを伺わせてくれる。
こちらも初年度産駒に該当馬はいないが頭の片隅に入れておきたいところ。
POGの+1
+1と言いつつ完全に別物になってしまうのだが、思い切ってIn RealityやGraustark・Eight Thirty・Bull Dog等を増長する方向に振り切って動ける時に荒稼ぎをする手段も無きにしも非ずではないだろうか。
Graustark=His Majestyを有するブライアンズタイムやロードカナロア、フジキセキといったところが主な所になってくる。
詳細は省くが特にフジキセキにDeputy Ministerが絡むとWar Relic≒Eight Thirtyをより増幅する形となることでよりダート的になり、ロードカナロアはStorm Catをクロスすることで芝・ダートどちらでも潰しが効く様になるし、ブライアンズタイムはKingmamboを掛け合わせることが出来れば「Kingmambo×Roberto」ニックスよりパワーを引き出すことに期待を寄せられる。
それぞれ目指すものは若干変わるが、「早期に稼ぐだけ稼ぐ」という点では同じ括りにしても良いだろう。