新種牡馬で優位に立ちたいPOGの記事 カリフォルニアクローム編
本投稿は2022年12月31日、C101で発行した「新種牡馬で優位に立ちたいPOGの本」の補完・おまけコンテンツです。
本が気になる、という方は…
重版や電子書籍化の予定は無いので諦めてください←
今回はタイトルの通りカリフォルニアクローム編です。
既に輸入馬・持込馬でJRAに産駒がデビューしている為本編への掲載は行いませんでしたが、やはり日本繋養初年度産駒が100頭超えているだけあるので要点を整理して配合のポイントを考えてみたいと思います。
カリフォルニアクロームの概要
父 Lucky Pulpit 母Love the Chase 米国産 米国調教馬(27戦16勝)
2014年のKYダービー・プリークスSの米2冠の他、2016年ドバイWC等を制している。
Arrogateとの激闘が記憶にある方は少なくないだろう。
牝系からは目立った活躍馬はおらず、父Lucky Pulpitも現状カリフォルニアクローム以外の活躍馬はほぼいない状態。
しかし、父の牝系を遡るとTiznowの母父Seattle Songの母やUnbridled's Songの3代母でもあるIncantationに辿り着ける良血である。
また、母Love the Chase内で3×3のクロスをしているNumbered Accountは大種牡馬Woodmanの母であるプレイメイトの全姉にあたり、Not for LoveとWoodmanとは3/4同血の間柄になる。
Mr.Prospectorの4×3を持ってはいるものの、全体を通してCozzineやDanzig、Sir Ivo、Buckpasserといった芝に求められるスピード源や柔らかさの要素を持っており、芝で通用する馬が出てくる可能性は大いに考えられるが、A.P.Indyの系譜は総じてどうにもダートとしての主張が強い為基本はダートが主になると思われる。
注目配合
ダートのパワー・持続力があって芝に通じるスピードのある血統を考えたいところで、やはり最初に出てくるのはクロフネだろうか。
血統的に特段大きな仕掛けは無いが、A.P.Indy-Seattle Slewのスピードの持続力はクロフネにも同様のものがあり、方向性としては悪くはないはず。
血統に仕掛けを持たせるのであればシンボリクリスエス。
Roberto由来のパワーがありながらもSpy SongやTom Foolといった軽い血でスピードを盛りつつSeattle Slewのクロスによって持続力を増強する、というのがポイントだ。
シンボリクリスエス自身がRoyal ChagerをクロスすることによってSun Princess-Mumtaz Begum-Mumtaz Mahalの血を増幅しており、その血が入るのも魅力的。
尚母父シンボリクリスエスになるとHail to Reasonが8×5となり、配合にズレのようなものが生じる。
多大な影響があるか、と言われると何とも言えず何なら特段問題になる可能性は考えにくいが多少気にかけておきたい。
これはゴールドアリュールを始めとしたサンデーサイレンス直子との間にも同様のことが言える。
Mr.Prospectorを継続するのもスピードやパワー・柔軟さを延長するのに有効手になりうる。
その中でも日本国内でMr.Prospectorの血となると筆頭はキングカメハメハになるのは当然の帰結だろう。
Nureyev-Specialで底力を増強しつつ、トライマイベストのパワーを盛りつつ、Green Dancerに内包されるNijinskyからスタミナやSpy Songから軽さを足してやれるのが良さである。
サウスヴィグラスも良さそうで、こちらの場合キングカメハメハと比較すると血統的な仕掛けは特段持たせられないが、スプリント質のパワーやスピード、スピードの持続力を増強するのには十二分の存在だろう。
サンデーサイレンス直系だが、ゼンノロブロイでMr.Prospectorを刺激するのはBuckpasserもセットで刺激出来る為面白みがありそう。
概要で触れたUnbridled's Songとの組み合わせも触れておきたい。
Mr.ProspectorやIncantationと同時にCaroもセットでクロスされる他、Fappianoの3代母Cequilloが前述のIncantationと共にSir Ivorと相似の配合であることから好相性になりうるだろうし、現に地方の園田競馬所属だがローリングが輸入馬で1勝挙げているのは見逃せない。
余談だが、登場までまだまだ年数はかかるだろうし実現する見込みがあるかも怪しいが将来的にはコントレイルとの配合も面白いだろう。
ひたすらにスピード・瞬発力源を刺激する形になり、ダートに出がちというA.P.Indyの日本に於けるデメリットの様な部分を解消できるのではないかと見ている。
終わりに
以上が個人的なカリフォルニアクローム産駒に於ける血統のポイントになります。
この考察が皆さんの検討の一助になれたら幸いです。
また早ければこの終末に、できれば今月中にアニマルキングダムについても1本書き記そうかと思っていますのでそちらも見て頂けたらと思います。
それでは。