#いけぽぐ13th なんとか頑張って思い出しながらあの時リスティングしていた馬を紹介したいエントリー Pt.3

このエントリーではいけぽんさん主催の「いけぽぐ 13th」に於いて''リスティング50頭の内、抽選・ウェーバー等によって惜しくも選出とならなかった馬達''をリストに入れた理由をどうにかして思い出しながら解説しつつ、小分けして何回かに渡って紹介出来たらというものになります。
いけぽぐのルールについては下記リンクからご確認ください。

また、本指名8頭及び推し新種牡馬枠については過去のエントリーからどうぞ。

当初の予定ではリスティング順に紹介していく予定でしたが、それでは面白くないと気付いたのと後ろの方にセッティングした完全ネタ枠がネタ枠でなくなる(マジで出走してきた)という出来事があったのでピッチを上げつつ順番もランダム加減にしてこの先はお届け出来ればと思います。がんばるぞい。


1.ステラエージェントの2022(エオアリイ)

リスト21番手
父:ドゥラメンテ 母父:More Than Ready
2/9生 浦河町 三嶋牧場生産
美浦 田中博康厩舎 馬主:鈴木剛史氏
9/7 メイクデビュー中山 中山芝2000m(良) 3着

母ステラエージェントはBCジュヴェナイルフィリーズターフ3着馬。
3代母Fiery PursuitもGⅡルイヴィルBCSを制しておりブラックタイプとしては事足りる牝系の出自の1頭。

牝系以上に配合面が面白く、HaloのクロスにEl Pradoを介してSir Ivorを有している他、全体を通してBuckpasser-Tom Foolで固めてられており母ステラエージェントの持つDamascusクロス等を考えると非常にスピード志向が強く感じられる。
ドゥラメンテ×More Than Readyという配合系ではドゥレッツアと同じパターンではあるが、こちらはかなりスピードに振り切った存在と言える。

ただ新馬戦は小頭数の2番手追走から上がり3F4位でやや離されて3着と思いの外スピード感を感じない結果に。
Carson City内のBrushing Groomによって父ドゥラメンテのHyperion色が相当刺激されている他Medaglia d'Oro-El Pradoで素軽いながらもNureyev≒Sadler's Wellsによって底力や重厚さが増強されている部分があると思われる。
良さを発揮できるようになるにはもう少し時間がかかるかもしれない。
或いは追走ペースが上がって初めて良さが出るか。

2.ロッテンマイヤーの2022(エンブロイダリー)

リスト22番手
父:アドマイヤマーズ 母父:クロフネ
2/1生 安平町 ノーザンファーム生産
美浦 森一誠厩舎 馬主:シルクレーシング
6/2 メイクデビュー東京 東京芝1600m(稍重) 2着
7/27 2歳未勝利 新潟芝1800m(良) 1着

3代母にビワハイジを持つ名牝系からの1頭で母ロッテンマイヤーは3歳時にクイーンC3着と忘れな草賞勝ちがある。

サンデーサイレンスをクロスしつつLord Gayle-Sir Gaylordを伴いながらクロフネとCaerleonを注入することで瞬発力を高めながら持続力とスタミナを増強し、父父ダイワメジャーを際立たせる一方でアグネスフローラ-ロイヤルスキーからNasrullahを取り込むことでアドマイヤマーズ全体のMumtaz Mahalを刺激しスピードを引き出そうとした配合系。

新馬戦はラスト3F33.2という末脚を披露した半面アグネスタキオン内のリマンド由来のDonatelloの重厚さが影響したかややかったるい追走力を示したものの、距離を延長した2戦目は一叩きした効果もあってか小頭数を逃げてラスト3F最速の34.3を掲示したあたりは今度はロイヤルスキー内のFair Trialを活かして圧勝してみせた。
尚つい先日のサフラン賞は追い込んで掲示板まで。
やはりというかなんというか、基本的にはRoyal Charger優位の典型的なサンデークロスを有する馬と見るのが妥当だろうか。

3.ツルマルワンピースの2022(ロパシック)

リスト23番手
父:エピファネイア 母父:キングカメハメハ
2/9生 安平町 ノーザンファーム生産
美浦 大竹正博厩舎 馬主:シルクレーシング
7/28 メイクデビュー札幌 札幌芝1800m(重) 2着

母ツルマルワンピースは中央で3勝を挙げており、初仔であるハービンジャー産駒ブラストワンピースは2018年有馬記念を制する等重賞5勝を挙げている他母母ツルマルグラマーは2001年ファンタジーS2着というブラックタイプを残している。

デアリングタクトに代表される「Kingmambo×Roberto」によるパワー増強ニックス配合とサンデーサイレンスクロスを同時に引き起こす「エピファネイア×キンカメ×サンデー(系)」のテンプレート的配合。
その中で母ツルマルワンピースがキングカメハメハの瞬発力源であるトライマイベストをEl Gran Seniorとの全兄弟クロスで引き出すことで全体としてスピードを高めようという形になっている。

この配合の甲斐もあってか新馬戦は2着と敗れはしたもののラスト3Fは最速タイを掲示、重馬場と言えども勝ち馬は開催4日目で芝が綺麗な状態でポジションを獲れた分と考えると及第点といった内容ではないだろうか。

4.ターシャズスターの2022(ジャナドリア)

リスト25番手
父:ゴールドドリーム 母父:Spanish Steps
4/4生 安平町 ノーザンファーム生産
美浦 武井亮厩舎 馬主:サンデーレーシング
8/17 メイクデビュー新潟 新潟ダート1800m(良) 1着

母ターシャズスターの仔に2014年の関東オークスを制したエスメラルディーナがおり、その仔から2022年小倉大賞典を制し同年の大阪杯でも3着となったアリーヴォがいる他、母母Ms. Cuvee Napaからの枝分かれの叔母にOff the TracksやTasha's Miracleといったブラックタイプ持ちを輩出している一族の1頭。

ゴールドアリュールのダート馬としてのパワー・底力源となっているNureyevを牝系のNumberで重ね合わせることで引き締めを行い、そこにフレンチデピュティを配してスピードを付加したゴールドドリーム。
ただ、それだけでは芝馬に振れる可能性もあり、よりパワフルでダート的にするためにフレンチデピュティ-Deputy Ministerを活用し、ダートのニックス配合である「フジキセキ×Deputy Minister」を応用し、War Relic≒Eight Thirtyを象ろうというのを意識した配合系と考える。
Le FabureuxにIn Realityを持つことで限りなくフジキセキに近づけた恰好とし、War Relic≒Eight ThirtyにTeddyを付加しつつWild Risk等を盛り込んでいるのもこの配合のポイントとも言えるだろう。
ややNorthern Dancer寄りになっている父に対してNorthern DancerフリーでありながらRaise a Nativeの6×6・5で別種のパワーを取り込んでおりこれまたダートに求められるパワー源として活きるのも魅力だろう。

2~3回除外の憂き目にあって迎えた新馬戦は着差こと付かなかったが上がり最速の末脚を繰り出し快勝。
ややCox's RidgeやStop the Music・Spanish Steps内のCequillo・Incantationによってサンデーサイレンスが増幅された感を感じなくもないが、父もサンデーサイレンスにCox's Ridgeによるダート馬としては珍しい決め手に長けるタイプだったので良い意味で父の産駒らしさという風に捉えておきたい。

5.サダムグランジュテの2022(ブルックリンダンス)

リスト26番手
父:ルヴァンスレーヴ 母父:キングカメハメハ
2/4生 白老町 社台コーポレーション白老ファーム生産
栗東 田中克典厩舎 馬主:シルクレーシング
8/31 メイクデビュー中京 中京ダート1400m(不良) 6着
9/16 2歳未勝利 中京ダート1800m(稍重) 2着

兄弟に大きく目立った活躍馬はいないが、叔父にニジンスキーS1着をはじめ重賞・GⅠで2着3回3着2回を誇るSeaside Retreatがいる1頭。

Roberto直系ながらもPrincequilloやSeatlle Slew・Tri Jet-Jester-Tom Foolによってパワーがありながらも素軽いシンボリクリスエスにリアルシャダイでRobertoをクロスしつつティンバーカントリーにネオユニヴァースで瞬発力や基礎スピードを引き上げた、誤解を恐れずに言うと「サンデーサイレンス入りRoberto系キングカメハメハ」とも言えるルヴァンスレーヴ。
その中からサンデーサイレンスをクロスすることなく「Kingmambo×Roberto」を象り、芝でもダートでも両対応出来ることを目論んだ配合系。

正直な所サンデークロスを回避しつつKingmambo×Robertoを持つ馬を探した結果この馬に辿り着いたという話でもある。
Robertoとサンデーサイレンス・Mr.LeaderによるHail to Reasonの多重クロスによって芝っぽさが感じられ、また出走したレースは全てダートながら稍重以上の重馬場でスピードが求められる展開になっており、それによってスイスイと走れている節があると見受けられる。
未勝利戦に関しては陣営としては負けられない一戦だった様だったが、敢えて悪い言い方をするとどっちつかずとも言える配合馬故にこの2着はよくやっている方だと感じなくもない。
ただ、1400mから延長して1800m戦を使ったのは正しい判断だったと言って良いだろう。

6.ナチュラルスタイルの2022(ロードヴェルト)

リスト29番手
父:ロードカナロア 母父:ディープインパクト
3/5生 新ひだか町 ケイアイファーム生産
栗東 牧浦充徳厩舎 馬主:ロードホースクラブ
6/29 メイクデビュー福島 福島芝1200m(良) 3着
7/20 2歳未勝利 札幌芝1200m(良) 3着
8/24 2歳未勝利 札幌芝1200m(良) 1着
9/1 シンガポールTC OP 札幌芝1200(稍重) 8着

叔父に2015年アーリントンC3着となったマテンロウハピネスがいる1頭。
本馬は本POG主催のいけぽんさんの出資馬で検討に当たって血統面で個人的にコンサルさせて頂いた1頭。

CC型種牡馬ロードカナロアに対してディープインパクト・モンジュー・トニービン・Brushing Groomととにかくスタミナで固められた母ナチュラルスタイルを宛がわれ、その結果母方が強く出た様でロードカナロア産駒ながら中距離気質に出ている(それを表しているのが馬体重と言ってもいいだろう)。
また父ロードカナロアの持つSecretariat=Syrian Seaクロスで柔軟性を持ち、中距離での柔軟性を持ち合わせているのは気質を高めるという点でも+と言えるだろう。
キングカメハメハ×ディープインパクトの配合は器用貧乏感が出るが、「ディープインパクト×Storm Cat」のニックス配合を形成でき、ミオスタチン遺伝子も推定CT型に持っていきやすくなるため比較的早くから筋力を付け器用貧乏の貧乏感を払拭するのに繋げられそうなのもポイントである。
勿論Nureyev≒Sadler's Wellsクロスで底力を高めようというのも○だ。

ただ使い方が非常にお粗末でデビューから一貫して1200mを使われており、8/24の未勝利戦では減量騎手である高杉騎手を乗せることで未勝利をほぼ無理矢理脱出させたものの連闘でマッチしていない1200m戦に出走、追走がままならず悲惨なレース結果となってしまった。
いけぽんさんは厩舎と管理するロードホースクラブに文句を言う権利があると思います。いやマジで。
とりあえず軌道修正を図ってどうにか中山1800~2000mで走れるようにして欲しいところである。

7.グラディーヴァの2022(ムーンファイヤー)

リスト31番手
父:ドゥラメンテ 母父:ハービンジャー
2/23生 平取町 坂東牧場生産
栗東 上村洋行厩舎 馬主:近藤英子氏

4代母に言わずと知れた、最早説明不要な名牝エアグルーヴを持つ1頭。

本POGでいくつか採用しているネタ枠の1頭目で、本馬はエアグルーヴの3×4とサンデーサイレンスの3×4を同時に発生させているのがポイント。
逆にそれだけと言ってしまえばそれだけ。ネタに全力投球。

ただ、両クロスに関わるのはドゥラメンテにディープインパクトと日本を代表する名馬である為非常に美しく見える。そう思うのは私だけでしょうか。

8.カーミングエフェクトの2022(カーミングライツ)

リスト34番手
父:サトノダイヤモンド 母父:War Front
2/23生 安平町 ノーザンファーム生産
美浦 小島茂之厩舎 馬主:キャロットファーム
8/24 メイクデビュー札幌 札幌ダート1700m(良) 12着

母母EmollientはアメリカンオークスやロデオドライヴSを含むGⅠ4勝馬でカーミングエフェクトの姉妹であるPeace Charterは重賞勝ちこそ無いもののGⅢ2着1回GⅡ3着1回の成績を挙げ、Frankel産駒RacletteはGⅡマルレ賞を制している血統馬。

母カーミングエフェクトがFappianoをクロスすることでSir Ivorと≒な血であるCequilloの7×7を生じさせ、Haloと合わせて4・6・7・5×7・7という実にスピードや瞬発力に期待をさせてくれそうな配合系となっている。
…のだが、逆に言うとそれだけで終わりでもある。強いて言うならDanzigクロスをForliが支える格好になってFair Trial的機動力が良さそうなくらい。
ネタ枠はともかく何故真面目な枠でここまでのリスティングと比較して肩透かし感満載な選出したのか、今現在このエントリーを書いている自分が謎で仕方がない。

こんなしょーもない話だけで終わっても仕方が無いので多少は実のある話でも。
サトノダイヤモンド産駒はダートに9/30現在で320回出走して24勝しており、芝の673回出走中61勝と比較して意外とダートの成績が悪くない。
芝で重賞勝ち馬を出しているところに比べるとダートは2勝クラスを勝ったのが2頭と天と地ほどの差はあるのだが、それはさておきこれには血統の奥まった部分にある。
まずサトノダイヤモンド自身の最大の特徴とも言える多重クロスを起こしているHaloだが、スピードの根源であるBrue Larkspurのクロスの他にHail to Reason内でPluky Liegeの牝馬クロスを生じさせている。
このPluky Liegeという牝馬はBull DogとSir Gallahadという2頭の全兄弟を輩出しており、これがWar RelicやEight Thirtyといったところと脈絡しやすくパワー源となる為にダートでも走れる下地となる。
これがHalo内に限らず4代目に有するLogical内でもBull Dog=Sir Gallahadの4×5・5を生じさせている為、全体を通してBull Dog=Sir Gallahad-Teddyの影響下に入ることにより一層ダート向きなパワー源としてプールしている状態になっていると言えるだろう。
下級条件でIn Realityを伴うサトノダイヤモンド産駒がダート変わりで出てきた日には狙ってみるのはいかかでしょうか。私は一考の余地ありだと思います。

9.パスティエーラの2022(ダンツファントム)

リスト35番手
父:アドマイヤマーズ 母父:キングカメハメハ
2/7生 新冠町 ハクレイファーム生産
栗東 四位洋文厩舎 馬主:山元哲二氏

4代母ハッピートレイルズに遡る名牝系の1頭で、一族からは今年のオークス馬チェルヴィニアを筆頭に数多くの活躍馬・ブラックタイプホルダーを輩出している活気あるファミリーの出自。

Mr.ProspectorクロスやSadler's Wells≒Nureyevクロス、Mill Reefクロス等キングカメハメハによってアドマイヤマーズの母ヴィアメディチを全面に刺激しつつ母パスティエーラの有する「Kingmambo×Roberto」のパワー増強配合をサンデーサイレンスクロスによる柔らかさの増幅をポッセ-Forliで更に底力を盛りこみながらMumtaz Mahalで締めるという、乱暴な話「エピファネイア×キンカメ×サンデー」を「アドマイヤマーズ産駒でやってみた!」みたいな配合系。

父アドマイヤマーズ・母父キングカメハメハ系はこれまで3頭が出走して1頭勝ち上がり。その1頭ブルーサンセットは新馬戦3着の後に未勝利即脱出からききょうS2着と堅実な走りをしている。
キンカメ系との配合はニックスだと見てかかっているが果たして結末や如何に。
因みにこの馬には1600m~2000mで欧米混血感満載の末脚を魅せてくれないかなという期待を抱いています。

10.カレンオプシスの2022(カレンラップスター)

リスト41番手
父:ルーラーシップ 母父:サムライハート
2/22生 安平町 ノーザンファーム生産
栗東 小林真也厩舎 馬主:鈴木隆司氏
8/31 メイクデビュー中京 中京芝2000m(重) 1着

母母にピラミマを持ち、今を時めく新進気鋭の種牡馬スワーヴリチャードやバンドワゴンを叔父に持つ1頭。

リスト41番手以降のネタ枠ゾーントップバッターに相応しく、ご用意しました。
エ ア グ ル ー ヴ の 2 × 3 を 。

余談ですが本馬の全兄サダムオプシスがつい先日未勝利戦を勝ちました。
ぶっちゃけそれくらいの時間はかかるだろうなーと思っていたのですが、重馬場の小頭数のスローな新馬戦という特殊条件が重なりまくった結果見事にハマりましたね…

これはその時の断末魔。
目に見えて分かりやすいネタ枠で勝ち上がりを手にした方が優勝者感あったかな…
来年はちょっと色々と検討します( )

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