#いけぽぐ13th なんとか頑張って思い出しながらあの時リスティングしていた馬を紹介したいエントリー Pt.2
このエントリーではいけぽんさん主催の「いけぽぐ 13th」に於いて''リスティング50頭の内、抽選・ウェーバー等によって惜しくも選出とならなかった馬達''をリストに入れた理由をどうにかして思い出しながら解説しつつ、小分けして何回かに渡って紹介出来たらというものになります。
いけぽぐのルールについては下記リンクからご確認ください。
また、本指名8頭及び推し新種牡馬枠については過去のエントリーからどうぞ。
第2回にしてもう既にリスティングした理由があやふやになっていますが、頑張って血統的根拠を思い出しながらつらつらと書き連ねられたらなと思います( )
1.ダイヤモンドディーバの2022(インザスカイ)
リスト14番手
父:キタサンブラック 母父:Dansili
3/21生 安平町 ノーザンファーム生産
栗東 友道康夫厩舎 馬主:エムズレーシング
母ダイヤモンドディーバは重賞2勝の他GⅠゲイムリーSで2度の馬券圏内等を誇る。
本馬の半姉シャドウディーヴァは2021年府中牝馬Sを制した他3度の重賞2着と重賞3着2回がある。
キタサンブラックのストロングポイントであるLyphardクロスを活かすとなると欧州的な持続力・粘着力を有する血が有効になる訳だが、そこには大方Northern Dancerが絡むことが多い。
母ダイヤモンドディーバもDansiliでデインヒル-DanzigにKahyasi-イルドブルボン-Nijinskyで2本持ちながらスタミナとFair Trial的持続力を増強しながら、El Gran Seniorで瞬発力を付加している形になる為、これでNorthern Dancerを3本持ち合わせることになる。
ただ、Indian RidgeがNorthern DancerフリーかつAhonooraを主体としてスピードを増強。
AnjuliにNorthern Dancerを有し、結果としてトータル6本Northern Dancerを持つ形になるがかなり代が後ろになり加減である為特段悪影響を気にすることなく各々の血が純粋にパーツとして活かせそうである。
過去のキタサンブラック産駒同様良さを延長しつつそれだけだと足りない部分を付加出来るアウトラインを象られているところから評価、リスティングとした。
ライジングクロスの2022(クロワデュノール)を獲れなかった時のバックアップとして待機させていたが1~2巡前にスイープ、無念の確保ならずとなってしまった。
正直ノームコアと順番を入れ替えた方が良かったのではと今ではすんごい後悔している。ただ、終わってしまったものは仕方ない、諦めよう。
2.シユーマの2022(クライスレリアーナ)
リスト16番手
父:サートゥルナーリア 母父:Medicean
2/23生 安平町 ノーザンファーム生産
美浦 木村哲也厩舎 馬主:サンデーレーシング
6/2 メイクデビュー東京 東京芝1600m(稍重) 3着
8/10 2歳未勝利 新潟芝1800m(良) 1着
名牝Country Queenを4代母に有するシユーマの8番仔。
シユーマは勿論のことながら母母から欧州名スプリンターにして名種牡馬Siyouniを輩出している他3代母Slipstream QueenからはLinamix産駒SlicklyやExit to Nowhere産駒No Slipを輩出している非常に格式高い牝系の出自である。
父サートゥルナーリアはリオンディーズの3/4同血の弟であり、キングカメハメハが1代後ろに下がる格好になるがStorm Catを有する為変わらずNorthern Dancerが濃い。
その為リオンディーズ産駒同様Northern Dancerをある程度緩めた配合から活躍馬が出ると考えられるのだがシユーマはStorm Birdとデインヒルの2本を持つのみで他に含まれる部分が無くこれなら許容の範囲と考えられる。
また、Storm CatクロスではなくStrom Birdでクロスしているのもポイント、これにより所謂ナスキロの過多で柔らかすぎて非力さが出るというのを幾何か回避しつつStorm Catを刺激できるのがここでのミソになってくる。
特にStorm Birdをクロスしつつデインヒルを有するというのは今年度の牝馬クラシック戦線が阪神競馬場改修工事に伴い京都開催へと変わる為有効と考えられる。
Haloの5×5にキロフプリミエールの持つHabitatが絡むというのも瞬発力を増幅する形なので○が付く。
因みにこの文章、ランドPOGのエントリーよりほぼ丸パクリで使用しています。
しょーがねーだろーランドPOGで獲れなかった分ここに注ぎ込んでるんだからよー。
新馬戦が思ったほどのパフォーマンスでない中1度レースを経験したメンバーが集った未勝利戦で圧巻のパフォーマンス。
内心世間の評価程サートゥルナーリア産駒を評価していなかった(というかチェックしていた中で候補に挙がったのが本馬とトロピカルレインのみというレベル)だったが、ちょっと想像以上だったなというのが内心。
ただ京都の外回りで良いかと言われると謎。こればかりは本番にならないと分からん。
因みに評判馬故にここまで残ることは無く無事スイープされましたとさ。
3.Trethiasの2022(イリフィ)
リスト17番手
父:Too Darn Hot 母父:Invincible Spirit
3/2生 米国産 Stonethorn Stud Farm Ltd.生産
栗東 高野友和厩舎 馬主:前田幸治氏
7/27 メイクデビュー新潟 新潟芝1400m(良) 12着
名馬Darshaanを輩出したDelsyを4代母に持ち、本馬の父であるToo Darn HotやRewildingを輩出したGⅠヴェルメイユ賞勝ち馬Dararaを3×3で有する血統馬。
Dararaの3×3という段階で既に凄いのだが、他の配合もかなり考えられておりSir Ivor≒Halo≒Droneを7・7・5×5で有しており母TrethiasのSharpen Upクロスも含めてかなり日本の瞬発力に対応出来るような配合となっている。
父はマイラーでBMSのInvincible Spiritは短距離種牡馬、Selkirkもまたマイラーである一方でDararaの持つスタミナ性というバランス感からタフなマイル戦をという所でチョイスした。
イメージとしてはエトヴプレに近いつもりでいたのだが、母TrethiasのSharpen UpクロスによるInvincible Spiritの増幅が父Too Darn Hotが有するHalo≒Sir Ivor≒Droneにより一層母方の血の増幅に繋がっている様で思った以上にスプリンターな仕上がりになっていると思われる。
クロスもちょっと煩いといえば煩いのでこの様な形になってしまうのも仕方がない気はするが、札幌芝1500mや中山芝1600の様な3~4ターンのコースならコントロールが効いても良い気がするのもまた何とも。
とにかく新馬戦だけで見切りをつけるのは早計そうで長い目で様子を見たいところ。
4.ポロンナルワの2022(ビッキーファースト)
リスト18番手
父:アドマイヤマーズ 母父:Rahy
1/21生 安平町 ノーザンファーム生産
栗東 武幸四郎厩舎 馬主:TNレーシング
自身は2005年デルマーオークス勝ち馬にして仔から2016年オークス馬シンハライトを筆頭にアダムスピークやリラヴァティを輩出したシンハリーズ。
そのシンハリーズの初仔であるRahy産駒ポロンナルワを母に持つ9番仔が本馬となる。
何と言ってもポイントはGrolious Songの5×3・4だろう。
Sun Princess≒Mahmoudの3重クロスにHerbagerのスタミナとSwapsのスピードを付加されたこの血はサンデーサイレンスと脈絡することで瞬発力・爆発力をもたらすことを期待させてくれる。
Rahyの父系に当たるRed GodもHaloと同様の役割を果たせる為、Halo≒Red Godの4・6・6×4・4・5という形でより一層のスピード・瞬発力を見込めるのがより存在感を高めてそう。
シングスピールの4×3も味があり、Shirley Heightsの仏的瞬発力とSadler's Wellsの底力を伴ったスタミナをBaizeやノーザンテーストでより引き立てられるのも好感度を持てるところ。
父アドマイヤマーズのイメージやダイワメジャー産駒特有のサンデーサイレンス系にしては珍しいノーザンテースト由来の短めの距離での底力感とは裏腹に欧州的な中長距離気質な方向に向かいそうで、ホープフルSや皐月賞にマッチしそうなイメージがある。
個人馬主所有故に動向が読み辛く順位をここまで下げたが、帰厩して調教を進めている今を思うともう少し重視しておくべきだったとちょっと反省。
Glorious Songの3重クロスというのも血統にあまり強くないという方に対してもインパクトがあると思うので半ばドラフト芸人と化している身としては尚更やっちゃった感がある。後悔先に立たずとはよく言ったもんだ(しみじみ)。
5.タッチングスピーチの2022(ヴィジョンメーカー)
リスト19番手
父:ルーラーシップ 母父:ディープインパクト
2/17生 安平町 ノーザンファーム生産
美浦 林徹厩舎 馬主:サンデーレーシング
昨年の阪神JFを制し本年の桜花賞・NHKマイルCと連続して2着となったアスコリピチェーノの母アスコルティを叔母に持ち、母タッチングスピーチは2015年ローズSを制している名牝Brigidに遡るファミリーの1頭。
瞬発力とスタミナに優れるディープインパクトに対してSadler's Wells・Irish Riverと瞬発力少々・スタミナに大舵を切った格好であるタッチングスピーチだが、そこにルーラーシップを配することでMill Reef≒Rivermanの瞬発力を引き出し、Nasrullah=Rivazによるトニービンの切れ味を付加しながらNorthern DancerとRaise a Nativeのクロスによって非力さを解消しようというのが伺える配合系。
実際に本馬の全兄キングズレインはこれによって新馬戦から常に上位の上がり3Fを繰り出し続け、「奥手」と称されている母とは裏腹にホープフルSでは3着と早期から結果を残している。
早くから動くのが見込める配合とはいえエアグルーヴのトニービン×ノーザンテースト由来のHyperion的スタミナやNureyev≒Sadler's WellsによるSpecial的底力の増幅もあって本質的にはクラシックに向くかとなると微妙な所。
ただ、持ちうるスタミナを武器にホープフルSを狙うには十分に足りる為リスティングした。
尚JRA-VANのPOGに本馬を登録したが、新馬戦はピコチャンブラックという惑星に思いっきりやられてしまった。
ただ、想定外の素質馬といったところで本馬も新馬戦としては十分な走りをしていたと言える内容で勝ち上がりに関しては順番次第といったところだろう。
6.イスパニダの2022(ルシタニア)
リスト20番手
父:レイデオロ 母父:Pure Prize
4/12生 安平町 ノーザンファーム生産
栗東 武幸四郎厩舎 馬主:フィールドレーシング
母イスパニダは2016年亜1000ギニー覇者にして3度のGⅠ2着・2度のGⅠ3着というブラックタイプを残しており、その兄弟も軒並みブラックタイプを残しているHistoriaを母母に持つ1頭。
ダービー4着のサンライズアースを筆頭に好走はしているものの今一歩パンチが足りない感じの強い結果となっているレイデオロ初年度産駒。
Nureyevをクロスしたりラストタイクーンを増幅した(といってもエンパイアメーカーの主張が強く何とも評価し難い)形でキングカメハメハ産駒の活躍馬を踏襲してそれなりに走れているが、逆のことを言うと「それなりにしか走れていない」状態でもある。
恐らくだが、Kingmambo×Robertoのパワー増強ニックスを有しているにも拘らずミオスタチン遺伝子がTT型故に中途半端な出力となっている為に「それなりの走り」となっていると思われる。
そこで米国的血を多く取り込むことでパワーを取り込み出力を上げようというのがこの配合での狙いと思われる。
ミクロな配合も良く出来ており、Seeking the Goldをクロスすることで瞬発力を演出、特にMr.Prospector×Buckpasserで共通するMiswakiも持ち合わせる為、Seeking the Gold≒Miswakiの4×4・4という捉え方を出来る。
Alzaoと相似な配合であるStorm Catでディープインパクト×Storm Cat同様に瞬発力の引き出しを作れるのも○。
このご時世に日本の主流血統であるサンデーサイレンスを持たないというのはある種のリスクがある他、米血の中でもスタミナに富む南米・アルゼンチン血脈というのも考え物ではあるがその分ハマる余地があっても良いだろう。
今回指名には至らなかったが、興味深く見守りたい所存である。
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