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最新技術を積極導入する鍜治田工務店『Lightning BIM 自動配筋』で効率的な施工と品質向上を目指す

株式会社鍜治田工務店は、1921年の創業以来、建築工事を中心に地域社会の発展に貢献してきた総合建設会社です。幅広い分野で培った技術力と豊富な実績を活かし、品質と安全を重視した施工を行っています。近年では業務効率化と品質向上を目指し、先進的なデジタル技術を積極的に導入。

今回、新たにArentが提供する「Lightning BIM 自動配筋」を採用しました。このツールの導入背景や現場での実際の活用方法、さらに今後の展望について、安全品質環境本部 部長 柴田健治氏と名古屋支店 工事部 加藤裕子氏にお話を伺いました。

(写真右)安全品質環境本部 部長 柴田 健治
(写真左)名古屋支店 工事部 BIM担当 加藤 裕子

鍜治田工務店様の事業内容と加藤様の業務内容を教えてください。

柴田: 鍜治田工務店では、関西、名古屋、東京の3拠点で、主にRC造(鉄筋コンクリート造)のマンション(約80%)や非住宅施設(約20%)の施工を行っています。

加藤: 私はBIMを活用して施工図モデルを作成し、施工前の確認や現場での検証に役立てています。BIMモデルを使い、事前にシミュレーションすることで、施工ミスの防止に取り組んでいます。
建設業界に新卒でスーパーゼネコンに入社した当時は、まだ手書き図面が主流で、徐々にCAD化が進む中、手書き図面を2DCAD化する作業を経験しました。また、今は点群技術がありますが、当時は地形を等高線上でマウスクリックしながら手作業で入力したり、3Dモデルの作成もプログラミングで行ったりしていました。

息子の大学受験を機に、再度建築を学び直したいと思い、息子と同じタイミングで大学の建築学科に入学しました。そこでCADの授業を通じてRevitに出会い、在学中には大学講師に教えられるレベルにまで技術を習得しました。現在、Revit歴は5年になります。

現在は名古屋支店でRevitを活用し、施工図モデルの作成や図面作成、さまざまな検証、そして新人の指導を行っています。また、1年ほど前に導入した『Lightning BIM 自動配筋』を活用し、これまでの経験をもとに新しい技術を取り入れながら、施工の効率化と品質向上に努めています。


『Lightning BIM 自動配筋』導入の経緯を教えてください。

柴田: 鍜治田工務店では新しい技術に前向きな社風が根付いており、社長も「できることはすべて試してみよう」という姿勢で取り組んでおります。特にBIMの導入には力を入れており、AIやドローンなどの先端技術を積極的に導入しています。

また、BIM技術の導入には全拠点で取り組んでいますが、BIM導入当初に名古屋支店で良い人材を採用することができたので、大阪本社や東京支店より先行してBIMモデルを用いた技術提案や立案等も行っています。現在、BIMツールとしてはRevit、Archicad、GLOOBEなどを使用し、業務効率化を図るとともに、従来の技術とデジタル技術を融合させることを目指しています。

自動作成された配筋BIMモデル

 Lightning BIM 自動配筋を導入した目的を教えてください。

柴田: 以前は鉄筋の納まりを鉄筋業者さんに任せて確認してもらっていましたが、配筋が複雑化するなかで従来の方法では干渉の確認が難しく、業務効率にも課題がありました。
万が一現場で配筋作業を開始してから問題が発覚した場合、工期に影響を及ぼすだけでなく、構造的なリスクが発生する可能性もあります。これらを未然に防ぐため、着手前にすべてのパネルゾーンの納まりを確認するために『Lightning BIM 自動配筋』を導入しました。


Lightning BIM 自動配筋の導入効果は?

加藤: 自動配筋は、1本ずつ鉄筋を手入力する必要がなく、構造図の柱リストや梁リストを確認しながらクリックするだけで配筋が入力される仕組みです。また、端部形状も選択した内容が正確に表現されます。さらに、干渉チェック機能では、干渉箇所が色で判別できるため、視覚的で非常に分かりやすいですね。

現場事務所での打ち合わせでは、鉄筋業者様から「2DCAD図では干渉している部分を経験や想像で補っていたが、3Dで視覚化されることで若手にも伝わりやすい」とおっしゃっていただきました。このように高く評価いただけるのはとても嬉しいですね。

干渉チェックを行い、自動で干渉を回避する機能

今後の展望を教えてください。

加藤: 配筋モデルを作成して干渉チェックや数量拾いだけではもったいないので、他部署との連携や協力会社様との活用方法も考えていきたいです。また、通常は見えない鉄筋コンクリートの内部を可視化できるため、若手技術者の現場教育用資料としても活用できれば良いですね。
私自身、Arentの技術者の方々と操作方法や機能の提案、活用方法等についてミーティングを行っていますが、やり取りを重ねて、さらに機能を進化させていきたいです。

柴田: これまで建設業界の移り変わりを見てきましたが、BIMには本当に大きな可能性があると感じています。自分が現場で仕事をしていた時に苦労したことを、BIMを使って「こんなことが出来たらいいなぁ」と相談すると、本当に出来るんです。
昨今の人材不足を補うため、BIMの活用により現場で発生する手戻りを減らし、フロントローディングによる効率的な施工が実現できると思っています。さらに、若い世代にも最先端技術を伝え、次世代の建設業界を支える力になればと考えています。


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