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【Arent調査】BIMデータを効果的に活用している企業は3割に留まる。入力作業の手間が課題。

建設DXを推進する株式会社Arent(東京都中央区、代表取締役社長:鴨林広軌、以下Arent)は、日本経済団体連合会の後援を受けて2024年4月17日に実施したハイブリットセミナー「世界でも類を見ない建設DXセミナー」において、建設業界におけるDXの実態に関するアンケートを実施しました。

この調査によると、対象企業の8割弱がBIMを導入している一方で、導入企業の半数はBIMを十分に活用できていないと回答しました。導入企業のうち、一部はデータ整合性の向上や手戻りの減少、設計変更に伴う手間やコストの削減といった効果を実感しているものの、4割以上の企業は視覚的な活用に留まり、情報の統合や業務効率化には至っていません。

また、BIMのデータ活用が不十分な理由として、人材不足、技術的課題、組織文化の変化などが懸念や障壁として挙げられました。

本調査では「DXについて」「BIMについて」「AIについて」という三つのセグメントに分けて質問を行い、本記事では「BIMについて」のセグメントを詳しく解説します。

▼DXについてのアンケート結果はこちら

▼AIについてのアンケート結果はこちら

詳細分析・アンケート結果

■BIMの導入状況

39%の企業がBIMを導入し、活用できていることが示されています。一方、37%がBIMを導入したものの活用できていないと回答しており、技術の有効活用には課題が残ることがうかがえます。導入検討中の企業は7%であり、これはBIMの機能や利点について十分な理解がある可能性を示唆しています。また、情報収集している企業が12%であり、BIMに関心を持っている企業の一翼を担っています。一方で、特に検討していない企業は4%と少なく、建設業界においてBIMの重要性が認識されつつあることがうかがえます。

BIMの導入状況

■BIM導入によって得たメリット

一部の企業ではBIMの導入によるメリット・効果が得られていると実感できる場面もある一方で、その効果を実感できないという声も相当数あります。特に、3D可視化によるコミュニケーションや理解度の向上、データの整合性の強化などは一定の効果が示されています。しかし、実感できる場面がない部署が27%もあり、BIMの導入が情報の統合や効率化に不十分であることが示唆されます。BIMは単なる3DCADとは異なり、情報の活用に重点を置いています。視覚的な表現は重要ですが、それだけではBIMの真の意味を実現できません。

BIM導入によって得たメリット

■BIM導入のメリットが感じられない場面

自社のDX推進に関して、メリット・効果を実感できない部署が23%という結果になりました。特に、既存のCAD業務との組み合わせにより二重作業が生じたり、確認申請のために紙やPDF出力が必要となり手間が増加するなど、作業効率に影響を及ぼす要因が指摘されています。また、BIM導入に伴う習熟にかかる時間や協力会社との連携、システムの維持費や標準化の負担、人材育成のコスト、建材のBIMデータの流通など、さまざまな課題が示されています。

BIMのメリットが感じられない場面

■BIM導入に期待する効果

BIM導入に期待される効果は業務効率化が43%で最も期待されており、BIMが建築プロセス全体を効率化し、作業時間や手間を削減することが期待されています。次に、顧客への対応が19%で挙げられており、BIMを活用することで顧客とのコミュニケーションや提案の精度向上が期待されています。また、データ分析に期待する割合も31%あり、BIMが提供する豊富な建築データを活用して、より効果的な意思決定やプロジェクト管理が可能になることが期待されています。その他の効果に対する期待も7%あり、BIMがもたらす様々な可能性が期待されています。

BIM導入で期待する効果

■BIM導入の効果

BIM導入者の方々によると、32%が期待した効果が得られており、さらに40%がそれほどの効果を感じないと回答しています。一方、14%は期待した以上の効果を感じておらず、14%は効果を測定できていないとのことです。この結果から、BIMの効果については期待以上のものを感じている方もいれば、逆に期待以下の方もいることがわかります。測定できていないという回答もあり、BIMの効果を客観的に評価するためには、効果の測定や評価方法の見直しが求められるかもしれません。

BIM導入の効果

■BIM導入における障壁

人材不足が最も大きな懸念として浮かび上がります。一番多くの回答者がこの点を懸念しています。次に、組織文化や技術的な課題も重要な要因として挙げられています。これらはBIMの導入にあたっての技術的なハードルや組織全体の文化・姿勢の変化が求められることを示唆しています。また、データの質・量の問題や予算制約にも一定の懸念が示されています。しかし、セキュリティやノウハウの不足に関する懸念はそれほど高くありません。

BIM導入における障壁

調査概要

今回のアンケートは2024年4月17日に開催した「世界でも類を見ない建設DXセミナー」に参加した152社、419名を対象に実施しました。
主な対象は以下のとおり

  • 設計事務所:総合設計事務所

  • 設計事務所:専門設計事務所

  • 施工会社:総合建設業

  • 施工会社:専門工事会社

  • 施工会社:ハウスメーカー

  • 維持管理会社

以上

Arentへのお問合せ

DXやBIM活用についてのお問い合わせは、以下のリンクからお気軽にどうぞ。


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