連載 お笑いルポライター's eye【ぺこぱのネタは、ダイバーシティ社会への挑戦だ!】
ぺこぱのネタは基本ツッコミがない。
漫才のツッコミは今までは頭を叩くことが多かった。しかし現在はツッコミでボケを叩くとテレビ局へクレームが来るという。
成熟した社会では暴力が許されないことは言うまでもない。ツッコミさえも暴力的に映るようになってきているのである。なぜなら日本が先進国として、国際的に認められるためために必要なのは、ダイバーシティの実現だからである。
ダイバーシティとは、多様性と訳され、社会の価値観が多様であることを認識し、他者のそれぞれの価値観を個性として尊重することである。そのダイバーシティの基調となすのは、多様な価値観、多様な人格への敬意である。そのため、ツッコミで頭をたたくことはもちろんツッコむこと『自体』も多様な価値観を認めていないことになりかねない。
ぺこはのネタでは基本的にツッコミを行わない。松陰寺太勇は、ツッコミではなくキザ担当だと自称し、ボケの全てを認め肯定するスタンスである。相手の考え方や価値観を理解しようとし、肯定するというスタンスは、ダイバーシティの実現に他ならない。ぺこぱがやっているネタは、ダイバーシティな社会を目指す日本社会への布石なのである。そのダイバーシティなネタは、国際社会において主要な地位を目指す日本国民である我々の心に刺さった。ぺこぱの大躍進は我々のダイバーシティな感覚が成熟したからだと言えるだろう。