
【歴史×星よみ】~忍性①一筋縄ではいかぬ「感覚のひと」
忍性(1217~1303)。鎌倉期の律僧。叡尊の弟子。
時は鎌倉新仏教の時代。
法然親鸞、ふたりの浄土宗系の教えを完成させた一遍、唐に渡って座禅を学び確立させた道元とその師栄西、蒙古襲来という未曽有の危機の最前線で登場した日蓮。
日本史上こんなに大勢の思想家(仏教は信仰というよりは外来の最先端の思想として受容されていたという立場である)が登場した時代はほかにない。
忍性は、真言律宗の僧侶であり、鎌倉新仏教とは無縁のはずなのに、日蓮の竜が口の法難で登場する。竜が口の法難を招いたのは鎌倉幕府と通じていた忍性ではないのか?と決めつけられ、日蓮の映画に登場する忍性はいかにも俗物の腹黒い狸オヤジに描かれている。
もったいない!
忍性はそんな単純な人ではない!と確信にいたったのは、1200年代の天文暦をネットで発見し、忍性の星の位置をユング心理学でいう4区分(思考・感情・感覚・直観)でみたときであった。
忍性の正式名は良観房忍性。1217年8月19日生まれ。
占星術では、太陽、月、水星、金星、木星、土星、天王星、海王星、冥王星の10個の天体の位置や互いの関係などを読み解いていく。
私がいちばんシンプルでパワフルだと感じるのは、星よみ骨格分析である。この10個の天体が、思考・感情・感覚・直観のどこに分布しているかで、その人の、もしかしたら本人も気づいていない動機がみえる…
占星術では、地球上の四大元素がそれぞれのシンボルにあてはめられている。これをユング心理学で解釈すると
火=直観、地=感覚、水=感情、風=思考
というわけで忍性の星よみ骨格分析である。
火(直観)は2(冥王星、海王星)
地(感覚)は4(太陽、水星、火星、木星)
水(感情)は1(月)
風(思考)は3(金星、土星、天王星)
「鎌倉時代版マザーテレサ」である忍性。
当時僧侶からも忌避されていたハンセン氏病患者を背負って奈良の街まで連れていき物乞いをさせた忍性は、「常識外れ」の存在であったはずだ。
(物乞いをさせる?虐待じゃないの?と思われた方へ補足説明。
忍性は幼い時に街でハンセン氏病の人を見て傍らの母になぜこのような人がいるのか?と尋ねている。母の答えは、神様が病気の人に身をやつしてこの世にあらわれている、この人たちに優しくすれば徳を積むことになる…というもの。
つまり物乞いをさせるというのは世間一般の人に徳を積ませてあげる行為だと考えていたのかもしれない)
↑このエピソードは↓こちらの動画からです
その「常識外れ」な行いは、母からの教えを忠実に守る(思考)と、目の前に助けを必要としている人がいるそのことに即反応する(感覚)からきたものではないだろうか?
次からは、感覚とはなにか?をもっと解明していきます!
続きます。