【都市の経済構造を考えてみる!】(第47回)「シンクタンクのレポートを確認してみた!(2)」
前回は、大和総研の内閣府委託事業「日本の各都道府県における地域の資金循環及び流出入についての調査研究報告書」を見てみまして、本稿「都市の経済構造を考えてみる!」に参考になる部分が多々ありました。
・(第46回)「シンクタンクのレポートを確認してみた!」
https://note.com/areaia/n/n42e1505c9763
今回は、この報告書の中で、気になった図表について、細かくみておきたいと思います。
◯ 元資料を入手します!
前回と同じく、こちらのレポートになります。
・(内閣府委託事業)日本の各都道府県における地域の資金循環及び流出入についての調査研究 報告書 平成27年3月 大和総研
https://www5.cao.go.jp/keizai2/keizai-syakai/report/chiikishikinjunkan_report.pdf
◯ p11 図表7 産業別にみた立地の特徴
早速、図表をみていきます。まず、こちらの図表7では、「都道府県の人口規模」と「地域の偏り」の2軸で、産業をわけています。右側の方が、東京都、神奈川県、大阪府、愛知県、埼玉県、あたりがイメージで、左側の方が、鳥取県、島根県、高知県、徳島県、福井県、あたりがイメージですかね。
左下の「地方立地」となっている部分は、この図表を産業の構成比で算出していますので、ここに記載がある産業が強いというよりも、右側の「都市立地」や上側の「特定の地方・大都市に偏在」にある産業が少ない、ほぼ無い、という感じで、強弱の差はあれど、どの都道府県にも必ずある産業ということもできそうです。食品製造、建設業、理美容クリーニング、機械器具小売、食品小売、郵便局、自動車整備、地方公務、廃棄物処理、医療福祉、ですね。
人口規模や地域に関わらず、似たように立地している産業が、「立地上の特徴なし」として、図表の中央あたり、教育、電気ガス水道、陸運、国家公務、が並んでいます。
右下の「都市立地」になると、人口が多い都道府県であれば目立ってくる産業ということで、卸売業、金融保険、飲食店、衣服小売業、物品賃貸、各種小売業、陸運、バス・タクシー、が並んでいます。
上側は、人口規模が同じような都道府県でも、目立つ場合と目立たない場合がある産業ということで、「特定の地方に偏在」、「特定の大都市に偏在」となっています。
「特定の地方に偏在」度合いが強いのは、水運、漁業、林業、農業、協同組合ですね。「特定の大都市に偏在」度合いが強いのは、情報サービス、不動産、広告、労働者派遣、メディア制作、通信業、皮製品、石油製品、ですね。
製造業は全体的に、真ん中の上寄り、気持ち右側、あたりですね。特定の大都市寄りだけど、特定の地域に偏っているところに多くなっています。人口が多めの都道府県だから製造業が立地しているのか、製造業が立地しているから人口が多めなのか、両方の側面がありますが、わかる気がします。
◯ p12 図表8 域外市場産業、域内市場産業の分類
図表8は、域外市場産業と域内市場産業の分類です。域外市場産業は、東京、ブロック都市、多極の3つに分けています。
東京に集中している産業種の数が多いですが、ざっくりわけると、メディア・情報・通信関連産業と不動産業ですね。。前者は、国に一箇所集中立地となりやすい産業種とも言えそうですし、不動産業が東京では域外市場産業となっているのは興味深いです。どちらかと言うと、不動産業は、地場産業のイメージがあったので、意外でした。
◯ p19 図表14 職業別割合の特化係数
図表14では、製造業の専門的・技術的職業従事者、医療・福祉の専門的・技術的職業従事者、製造業の生産工程従事者の3つの職種について、都道府県別の特化係数を算出してくれています。
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