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【都市の経済構造を考えてみる!】(第11回)「家計部門を確認する!(盛岡経済圏)」

前回「支える力の源泉をまとめてみる!(盛岡経済圏)」(第10回)で、過去3回にわけて確認しました支える力について、まとめてみました。稼ぐ力並に、支える力が盛岡経済圏の域外収支に貢献していまして、また、年金部門については、産業部門ではなく、家計部門に直接入ってくる気付きから、家計を分けて図にしてみました。

今回の第11回では、「家計部門を確認する!(盛岡経済圏)」としまして、前回で分けた方が良いなと思った家計部門について、産業連関表から家計に関連するあたりを確認したいと思います。

    

◯ 統計情報入手


統計の方は、以前も見てまいりました岩手県の産業連関表 平成23年 をみていきます。

・岩手県 産業連関表
http://www3.pref.iwate.jp/webdb/view/outside/s14Tokei/bnyaBtKekka.html?C=B0303&R=I015

こちらのページに、13部門表、統合大分類表、統合中分類表、統合小分類表の4種類の産業連関表がありまして、それらの中から統合大分類表をみていきたいと思います。

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次のリンクからEXCELファイルでダウンロードできます。

・岩手県産業連関表 統合大分類表 平成23年
http://www3.pref.iwate.jp/webdb/view/outside/s14Tokei/tokei.download;jsessionid=3D709837AB9BDCEC38E3703EF9D1FE2D?fileId=s14TokeiInfo-y7dCB.18OYJ.1tIvSy

      

◯ 雇用者所得


まずは、雇用者所得をみてみます。「①生産者価格表」というシートの、横列の「39.雇用者所得」の合計欄となる縦行の「37.内生部門計」(エクセルのAM43のセル)にあります。

  雇用者所得(内生部門計) 20,755億円

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前回までで確認していた年金給付額 5,618億円 を足しますと、家計部門の収入が、26,373億円になります!これまた、巨額です!家計収入全体のおよそ20%ほどが、年金給付額、というのは、想像を超えていました。日本に年金制度があってよかった!

        

◯ 民間消費支出


続きまして、支出側です。同じく「①生産者価格表」というシートの、横列の「39.民間消費支出」の合計欄となる縦行の「37.内生部門計」(エクセルのAO41のセル)にあります。

  民間消費支出 25,758億円

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前述の家計の収入 26,373億円 との差額が615億円になっていまして、雇用者所得+年金給付額と、絶妙にバランスした金額になっています。

    

◯ 家計部門の公的負担


ここまでで、家計の入と出のバランスが良いなー、と思っておりましたら、前回までみておりました税金や社会保険料など家計の公的負担の方を失念していることに気づきました。

・沖縄県統計資料WEBサイト 第6章 最終需要部門、粗付加価値部門の定義
https://www.pref.okinawa.jp/toukeika/io/2005/dai6syou.pdf

こちらの資料のp152からp154にかけまして、「雇用者所得」の定義がございまして、この雇用者所得というのは、ざっくり言うと、雇っている側が人件費として費用計上しているもの、とのことで、いわゆる手取りの給料総額というよりは、額面総額であり、さらに、社会保険の会社負担分も含んだ金額とのことです。

としますと、社会保険料負担については、全額がこの雇用者所得からでていくことになります。

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また、所得税、消費税、住民税などなどといった家計で負担する税金も、雇用者所得から出ていっていることになります。これまでみてきた資料だと、税金の家計負担分というのが、細かくわからないですが、家計での負担が明確な 所得税(591億円) と 個人住民税(693億円) をひとまず拾っておきたいと思います。消費税や固定資産税なども、別の機会に洗いたいと思います。

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としますと、家計支出が、31,305億円 となりまして、収入との差額が、▲4,932億円となります。

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ちなみに、家計部門だけでみますと、支える力の循環の中で、0.6兆円が年金で給付されてきて、一方で、税金と社会保険料の負担で、0.5兆円ちょっと出ていっていて、個人住民税・所得税以外の税負担を入れれば、かなり絶妙に似た規模感になっているのが興味深いところです。もちろん、ただの偶然だと思います。      

     

◯ 抜け・漏れの可能性


さてさて、ここまでで、支出の方が、5000億円ほど超過しています。消費税や固定資産税なども入れますと、5000億円は超えていくと思われ、産業連関表にはでてこない、もしくは、見えにくい家計部門のお金の流れがありそうです。ちょっと考えてみました。

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