【都市の経済構造を考えてみる!】(第49回)「4つの力の全体像を把握する!(東京経済圏)」
前回は、東京経済圏として、1都3県あたりから、他にもいろいろな設定があることを確認しました。また、埼玉県、神奈川県、千葉県の県外からの雇用者所得の大きさに、わかってはいたことではありますが、改めて驚いた次第です。
・(第48回)「東京経済圏を設定する!(東京経済圏)」
https://note.com/areaia/n/n397ca2c05475
今回は、東京経済圏の一番コアの部分にあたる東京都の産業連関表から、あれこれ確認していきたいと思っております。
◯ 統計情報を入手する!
産業連関表は、次のサイトに、1985年からだいたい5年置きで2011年までのものがまとまっております。
・東京都産業連関表
https://www.toukei.metro.tokyo.lg.jp/sanren/sr-index.htm
今回は、こちらのページで最新になる2011年のものを確認します。
・平成23年(2011年)東京都産業連関表
https://www.toukei.metro.tokyo.lg.jp/sanren/2011/sr11t1.htm
いくつか種類がありますが、今回は全体像をみたいので、この中から、(1)地域内表の「取引基本表」をみていきます。
◯ 東京都の産業連関表の項目
これまでみてきました、岩手県や宮城県の産業連関表にはなかった項目が、東京都の産業連関表にあります。
中間需要・中間投入のところですと、これまでの岩手県と宮城県の表では、「事務用品」「分類不能」まででおわっていましたが、東京都の表では、「本社」「財・サービス内生部門計」という項目が加わっています。
最終需要のところですと、東京都の表には、「他県事業所家計外消費支出」「他県民支出」といった項目があります。「移輸入」のところにも、「都事業所家計外消費支出」「都民支出」といった項目があります。これらは、岩手県と宮城県の表ではなかったと記憶しています。
このあたりは、小さくみても1都3県といった周辺県を含めた巨大都市圏ならではの産業連関表とも言えますね。
◯ 東京経済圏の4つの力の全体像を並べてみた!
さて、早速ですが、東京都の産業連関表から、4つの力を算出してみました。
「稼ぐ力」は、「移輸出計」に、「他県事業所家計外消費支出」と「他県民支出」を足してみました。「支える力」は、「一般政府消費支出」と「都内総固定資本形成(公的)」を足したものです。「外の力」は、「移輸入計」にある金額です。「回す力」は、残りの項目の合計ですね。
これまでは、億円単位でみることが多かったですが、今回は、兆円単位です。右側の%は、生産額に対する割合です。
生産額 163.3兆円(100%)
稼ぐ力 65.6兆円( 40%)
支える力 13.9兆円( 9%)
回す力 83.8兆円( 51%)
外の力 40.6兆円( 25%)
需要額 138.3兆円( 85%)
粗付加価値 93.0兆円( 57%)
雇用者所得 47.5兆円( 29%)
営業余剰 20.7兆円( 13%)
これまでもあれこれみてきておりますので、盛岡経済圏や仙台経済圏よりも、はるかに金額が大きいことはわかります。
◯ 盛岡経済圏・仙台経済圏と比べてみた!
ということで、盛岡経済圏・仙台経済圏と比べてみます。それぞれ右欄の%は、それぞれの都市圏の生産額に対する%になります。
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