【都市の経済構造を考えてみる!】(第44回)「外の力の推移を確認してみた!(仙台経済圏)」
前回は、製造業の雇用の推移について、産業連関表の雇用表を並べて確認してみまして、個人的には、製造業に従事している人数が、想像よりも少なくて驚きでした。
・(第43回)「製造業の雇用の推移を確認してみた!(仙台経済圏)」
https://note.com/areaia/n/n6d5d986994bc?magazine_key=m4e87da1b572a
さて、今回は、外の力の推移を確認しておこうと思っとります。
◯ 統計情報を入手します!
今回も、産業連関表です。平成25年の産業連関表のページの下部に、昭和30年以降の産業連関表がございますので、こちらから拾ってみます。
・宮城県経済の構造-平成25年宮城県産業連関表(延長表)-
https://www.pref.miyagi.jp/soshiki/toukei/h25rennkann.html
◯ 移輸入を確認します!
1995年、2005年、2013年の移輸入の推移です。
移輸入の総額は、
1995年 5.1兆円
2005年 5.6兆円
2013年 5.9兆円
と増加傾向です。
内訳の金額で大きいのは、13分類ですと、ダントツで、製造業です。製造業の移輸入は、
1995年 3.4兆円(67%)
2005年 3.1兆円(55%)
2013年 3.8兆円(64%)
です。()内は、総額に対する割合で、多いときで、7割弱、少ない年でも、55%ですね。
鉱業も、1995年は822億円と少なめでしたが、2005年3324億円、2013年4459億円と増加していまして、圏内の人口増減があまりなく、微減傾向も始まっているこの時期に、鉱業の移輸入が大幅に増加しているというのは、製造業の仕入れであろうと思われます。
この鉱業を含め製造業は、圏内製造業の仕入れという側面も強く、その圏内製造業は、生産額の多くが移輸出で出ていくことを思いますと、圏内消費に対する移輸入という切り口の場合には、ちょっと別にして考えてみてもよさそうです。
建設部門、公務部門は移輸入はゼロですね。ゼロで言いますと、電力・ガス・水道部門も、なぜか2005年だけ、ゼロです。
金額であと目立つのは、2005年の商業で、1.0兆円ですね。1995年が0.21兆円、2013年が0.18兆円という前後と比べて、すごく不思議です。
◯ 移輸入の変化を確認します!
1995年と2005年、2005年と2013年、1995年と2013年の変化額を確認してみました。
1995年から2013年ですと、全体で7531億円の移輸入増加です。内訳で大きいのは、
鉱業 +3,637億円
製造業 +3,457億円
運輸・郵便・情報通信 +1,122億円
ですね。13部門でみますと、他に1000億円を超える変化がある部門はありません。
ただ、1995年から2005年、2005年から2013年の変化で、1000億円を超えているものが、
電力・ガス・水道 △1,825億円 → +2,134億円
商業 +7,947億円 → △8,323億円
金融・保健・不動産 △1,359億円 → +1,299億円
運輸・郵便・情報通信 +2,446億円 → △1,323億円
サービス △1,279億円 → +1,023億円
と、減ってから増えてる部門と、増えてから減ってる部門がありますが、結局、1995年から2013年で通しでみると、1000億円も変化がない状況です。ちなみに、製造業も、1995年から2005年は、△3,399億円で、2005年から2013年で、+6,856億円と減ってから増えている部門になります。1995年から2005年にみられた傾向が、東日本大震災の影響で、逆転した、ということかもしれませんが、ちょっとここではわかりません。
◯ 圏内需要と比べてみます!
移輸入は、移輸出の仕入れという部分と、圏内の需要に向かう部分がありますので、圏内需要とも比べておきたいと思います。
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