猫に、はまる
アメリカで暮らすまで、私は猫があまり好きではありませんでした。
その理由は簡単。小学生の頃、庭でチャボを飼っていて、生まれた黒いヒヨコを「クロちゃん」と名づけ、大層可愛がっていたある日、突然庭に侵入して来た野良猫に持って行かれてしまったのです。
それ以降、犬は好きだけど、猫はちょっと…な、日々が続いていました。
のが、一変。
渡米した頃、日本の家族は犬を飼っていて、当初私は彼と会えない寂しさが募っていたのですが、それを埋めてくれたのが、ホストファミリー宅で飼われていた猫、Tiggerでした。
初めは、私もTiggerも互いに警戒して、少し距離を置いていたのですが、よく見ると、何だか猫も可愛い。
DadはTiggerを呼ぶ時、「キティ、キティ、キティ」と言います。Kitty(キティ)とは幼児語で「ニャンニャン」とでも訳せば良いのでしょうか。
観察していると、周りの人は猫を呼ぶ時必ず「キティ、キティ、キティ」と言います。これを私も、早速真似てみる。
「キティ、キティ、キティ」
私を見定める様な顔をしながらも、Tiggerが私のベッドの中に入ってくれたりすると、嬉しさの余り、ほお擦りまでしてしまう始末。その後私は、かなりな猫狂となり、両親の家で飼っていた犬が死んだ後は、猫を飼いました。
それぞれ可愛いポイントが違うとわかった今では、どちらも同じように大好きで、今はまた犬を飼っています。