所作、は英語でどう表現する?
茶道や剣道など、“道“がつくものを習っていると、所作が違ってくるように思います。
お辞儀の時の顎の位置や、正座した時の手の位置。畳の縁を踏むことを躊躇したり、障子を開ける時、取手に手をかけ、そのまま開けるのかどうかや、他人の家の玄関に入った時、くるりと回ってから靴を脱ぐのか、そのままの向きで一旦脱いで框(かまち)に上がってから体をくるりと回して、靴の向きを変えるのか?など。
この所作を英語で何と言うのだろう?“behavior”も違う気がするし、”gesture”も違う。うーん。体の動きだけを表現する、”所作“に相当する英語ってあるのかな?
間も無く学校が始まる8月の終わりに、私より1学年年下だったホストシスターと、彼女の友達2人と一緒に、映画を観に行きました。残念ながら、台詞の聞き取りに苦労して、内容は良く分からなかったのですが。
それでも、アメリカ人ティーンエイジャーの映画鑑賞法をマスター出来たのは、大きな収穫でした。
彼らはまず、バターがたっぷりのったポップコーンと、巨大なカップに入ったソフトドリンクを購入します。
そして、それをつまんだり飲んだりしながら、前の席が空いていれば、靴のまま脚をかけます。
家の中では靴を脱ぐ国、日本からやってきた私には多少の抵抗はあったものの、「郷に入れば郷に従え」で、真似をしてみました。
するとどうしてどうして、脚はむくまないし、何だか快適!
当初の抵抗は、靴と地面に対する所作…つまり、生活スタイルからくる感覚の違いかも知れず、こうした簡単な観察も、日・米文化の違いを感じさせる、貴重な体験となりました。
今、日本でもシネコンなどへ行くと、バターたっぷりのポップコーンと巨大カップに入ったソフトドリンクが売られています。でも、私は帰国後日本で、一度も脚を前の席にかけて映画を観る人を、見た事がありません。
これは、いくら食べ物などの物流がグローバルに進んでも、その国の人が生まれながらにして身につけていく、所作だけは、変われないのでは?と、思うのですが、どうだろう。