T. P.(Toilet Paper)
ある土曜日の朝目覚めると、Momとホストシスターが大騒ぎしていました。
Momは私に、カメラを持って来るようにと、大笑いしながら言うし、「アンビリーバボー!」と、ホストシスターは叫んでいる。
何事か?と思いつつ、急いでパジャマのまま靴を履いた私は外へ飛び出し、そこで、これまで見た事のない異様なものを目にしました。
それは、庭の木々の至る所に巻かれた、トイレットペーパー!
白いロール状のペーパーが、木々に巻き付いては垂れ、巻き付いては垂れているのです…。
むかーし、テレビで見たことのある、ロール状の紙テープの端を持ったまま、歌手に向かって投げるファンたちの、あの様子が頭に浮かびました。
(ノグチゴローとか、サイジョーヒデキなどが、全盛期の時代)
T.P.(Toilet Paper)と呼ばれるこのイタズラは、どうやらホストシスターの親友たちが、昨晩のうちに行った模様。
豊かな国ならではの行為で、今なら環境問題に敏感な人がSNSで発信して騒ぎになるかもしれませんが、当時はそんなものはないので、目にする人は家族くらい(か、早朝、たまたまそこを通る人も?)。
嫌がらせではなく、アメリカのティーンエイジャーによるちょっとはめを外したイタズラで、「昔はよく、これを見たのよ!」と、Momは楽しそうに、自分が10代だった頃の話を、私に語ってくれました♡
2020年のコロナ禍で、日本中からトイレットペーパーが消えた時、我が家には在庫が2ロールしかなく、私は「今、もしもT.P.をする人がいれば、そこへ駆けつけて紙を巻き直し、自宅へ持ち帰るのにな」などと想像して、ちょっとだけ明るい気持ちになったのを、思い出します。