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春のクラブ活動の、代わり

松葉杖で教室移動を余儀なくされた不自由な生活の頃、私はハイスクール内で、お菓子売りを経験しました。

1年間を通じて所属していた、AFS(American Field Service:交換留学団体のひとつで、「アメリカ野戦奉仕団に由来し、悲惨な戦争の結果である傷病兵の救助活動から、戦争を起こさないための活動へと転じたことで、交換留学制度が発足した」らしい Wikipedia より)クラブの資金集めのためです。

同じ手法での資金集めは、他の多くのクラブでも行われていましたが、初めて目にした時は不思議に思いました。

「どうして皆、あんな菓子箱を授業中、机の上に置いているのだろう?」

このお菓子売り、スニッカーズや、ミルキーウェイなどのチョコレート菓子を、1ダース以上引き受けて、校内でひとつ1ドルで売ります。

スーパーで買えば、その半値以下で手に入るのですが、皆それを承知の上で買い、寄付しながらお菓子を食べると言う、それはそれは良く出来たシステム。

集まったお金は、クラブの運営資金に回します。

私の松葉杖に同情してか売れ行きは悪くなく、ついでに「脚、お大事ね」と、声をかけてもらえるのも、ちょっぴり嬉しいサプライズでした。

そして時には、我慢できずに自分の1ドル札を箱に入れて、自ら食べてしまうと言う「掟破り」をしてしまい、体重増加の原因は、こんなところにもありました。

今でも、スニッカーズやミルキーウェイを見ると、お菓子箱と教科書やノートを抱えながら、松葉杖で教室移動をしていた時の、不自由な身だけど、でもそんな自分も何かに貢献できている感覚を思い出して、胸がキュンとなります。

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