もみの木マーケット
35年前にアメリカで見たものの多くは、今、日本でも普通に目にすることができます。でも、これだけはまだ、特定の場所でしか見られないのでは?と思うもののひとつが、「もみの木マーケット」。
(IKEAでは、やっていますね)
クリスマスの1週間後には、門松やしめ飾り、鏡餅を飾らねばならない日本での普及は、なかなか難しいだろうな。本来、クリスマスは、イエスキリストの誕生を祝う、キリスト教徒のお祭りだし、ここを本気で導入してしまえば、もはや日本は日本でなくなる可能性も…。
16世紀に、あれだけ宣教師が布教を試みたのに、キリスト教が広くは根付かなかっただけあり、もみの木マーケットは、最後の砦かもしれません。
12月に入って間も無くの頃、ホストファミリー一家と、もみの木を買いに出かけました。
田舎道を車で20分ほど、上ったり下ったりすると、仮設「もみの木マーケット」に到着。
クリスマスが近づくと、何百本もの大小さまざまな大きさのもみの木を一同に集め、販売を始めるそうです。
Dadは葉の具合を見たり、幹の太さを確かめつつ、木々の間を歩き回ります。Momやホストシスターも一応口出しはしますが、最後に木を選ぶのは彼の役目らしく、神妙な顔つきでもみの木を厳選。
そうして、私の背よりも高い木を選んだDadはお金を払い、大事そうに車の中へと運び入れました。
ツーンと鼻をくすぐる、もみの木独特の香りに包まれながら、帰りの車内ではMomが、木に飾るデコレーションのことで、頭が一杯の様でした。