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海外版(北米版)の円盤を観る

はじめに

今季アニメは「ぼっち・ざ・ろっく!」を筆頭に個人的には大豊作。それでも最近は放送・配信を観るだけで概ね満足。めっきり円盤を買うことも無くなりました。

そんな私にもン年前、それなりに円盤を買っていた時期がありました。普通にAmazonやHMVなどのECサイトでそこそこ買っていたのもありますが、それ以上に結構な数の海外版、いわゆる北米版を買いまくっていました。

先日何年かぶりにその北米版のアニメBD/DVDを見ようとしたところPCの環境も変わり、当時覚えていた北米版円盤の視聴方法の基礎知識をすっかり忘れていました。ですので今一度調べ直し備忘録として記録しておくことにします。

厳しい光学メディアの現状

すっかり配信にお株を奪われ、GEOなど実店舗では買い取りすら怪しくなっているCD。BDの登場や世の高画質化の波により存在意義を失いつつあるDVD。DVDの跡目争いには勝利したものの、その扱いづらさからかイマイチパッとしない(気がする)BD。

今や再生プレイヤーすら持ち合わせていない人も多いとも聞く円盤の状況。曲・映像は配信、ゲームはダウンロード販売中心になりつつあったりメディアもカセット(カード)に回帰。今すぐ円盤メディアが消えるなんてことは無いにしてもあと何年持つことやら。

と、まぁそれはそれ。先に述べたように今より何年か前、アニメにドハマリして円盤を買いまくっていた時期が有りまして…ただ国内のアニメ円盤は一度TVで放送したものを(修正や特典があるとは言え)2~3話収録で5000円程度と冷静に考えたら割りとイカれてる値段設定。1クールものだと4巻で20000円程度、酷いものだと6巻で30000円とかね。それでもお気に入りのものは買っていましたが、ちょっと気に入った程度だとさすがにしんどい。でも映像を手元に置いておきたい…ということで行き着いたのが海外版(北米版)という訳でして。
※私的には海外版BD/DVD=北米版BD/DVDなのでここからは北米版としか書きません

北米版アニメBD/DVDとは?

手元の北米版アニメBD/DVDの一部。多分軽くこれの10倍以上はあります。

最近は買っていないので古めのものばかりです

では北米版アニメBD/DVDとは一体何なのか?
その名の通り北米で発売されているアニメの円盤なのですが、ここでは日本で制作・放送されたアニメに限ります。その特徴として

メリット

■値段が安い
1クール分まとめて収録されていて値段が日本版の1巻と同程度とかザラ。
詳しい説明は省きますが2012年以降私的複製であってもコピーガードを解除して複製することは違法となりました。つまりレンタルDVD/BDを借りてきてリッピングという行為はほぼ全部違法行為となります。最もこれでバレて逮捕されるとかまずありえないでしょうけど。一応法律遵守的には手元に映像を置いておきたければ買うしか無いということです。その点で考えれば北米版の値段は魅力的です。また、ただでさえ安価なのにDVD/BDがどちらも入ったコンボパックも結構な割合で発売されています。

■英語音声・字幕が収録されている
割とあちらの俳優(声優)さんによる吹き替えが収録されています。されていない場合もありますが字幕は間違いなく収録されています。もちろん日本語版の音声も収録されていています(されていない場合もあるかも知れませんが私は見たことがない)。某大ヒット漫画の主人公(ヒロイン?)が日本のアニメの吹き替え版を見てフランス語を習得したなんてエピソードがありましたが、それと同じく英語の学習効果があるかも知れません。

デメリット

■通常の日本の再生機器では視聴できない
DVD/BDではその発売された地域以外では見れなくする為(発売日の違いによるネタバレ防ぎ?)の視聴制限措置が施されています。詳細は後述しますが、よって一般的な日本のDVD/BDプレイヤーでは再生できない場合が多いです。

■特典などが収録されない場合が多い
ブックレットや設定資料集などの物理的特典アイテムは無いことが多いです。日本の円盤ではお約束のオーディオコメンタリーや特典映像も無い場合が多かったり削られてたりします。

■日本語版より低画質
概ね円盤1枚に2・3話収録の日本版に比べ北米版は1枚に5・6話とか入れることもザラ。当然円盤の容量的に画質へ割く容量は圧迫されるわけでして。しかし個人的な見解ですと日本語版と比べて画質が気になった瞬間など皆無でしたが。また未検証ですが、あちらの円盤は日本産に比べメディアの品質が悪く劣化が早いと聞きます。実際はどうなんでしょうか?

■買うのが面倒
基本的に海外(アメリカ)からの個人輸入ということになるので当然英語でのやり取りが基本。国内での買い物に比べ格段に面倒です。しかし多少割高な場合が多いですが、国内で扱っている業者も多いですし、オークションやフリマでも買えたりします。

などなど。つまり再生機器の問題さえ解決できれば安く観れる上に英語の勉強にもなるかも知れない魅力的なアイテム。最近は配信が主流になりつつありますが、検討する価値は十分にあると思います。

主に日本からの購入場所として有名なのはこのあたりでしょうか?
Amazon.com
RightStuf
ImportCDs
詳しい登録方法、購入方法などは最近購入してないのでぶっちゃけ忘れましたが中学生にも劣る英語能力の私でも余裕で買えたくらいなので大したことありません。
後は先も述べたように国内業者やオークション・フリマですね。

海外版DVD/BDの視聴方法

ではようやく本題。海外版DVD・BDの視聴方法です。

DVD

まずはDVD。主要な国内メーカーのDVDドライブに北米版ディスクを入れ、再生しようとするとまずエラーが吐き出されることでしょう。これはリージョンコードが違うためで、DVDの場合はリージョンコードと地域は

0 リージョンオール
1 アメリカ、カナダ
2 日本、西ヨーロッパ、南アフリカ、中東
3 東南アジア
4 オーストラリア、中南米
5 ロシア、東ヨーロッパ、北アフリカ、アジア
6 中国
7 未使用
8 国際線(航空機、船舶)

DVDのリージョンコード一覧

このようになっています。つまり北米は1、日本は2でコードが違うため再生できません。

日本のDVD
北米版のDVD

では日本で北米版DVDを観るにはどうすればいいのでしょうか?
方法はいくつかあります。

1.リージョンフリーのプレイヤーを入手する

Amazon等で「DVDプレイヤー リージョンフリー」で検索すればお手頃価格で結構な数の商品が出てきます。ただしよく聞くようなメーカーの製品はほぼ出てきません。あまり馴染みのないメーカーの製品が大部分なのでレビューを吟味したり機種名で検索して信頼できそうな機種を選びましょう。

また、今はどうだか分かりませんが昔は某有名メーカーのDVDプレイヤーのファームウェアを書き換えてリージョンフリーにするという方法もありました。私もPi○neerのDVDプレイヤーを1台書き換え使用していました。

2.PCで視聴する

VLC Media Playerのようにリージョンコード関係なしに再生できるプレイヤーが存在します。
またDVDドライブのリージョンコード自体を変えるという方法もありますが、それを行うと当然変えたリージョンコードの地域以外のDVDは読めなくなるので注意が必要です。
安価な外付けDVDドライブや中古のDVDドライブ付きノートPCを購入し、リージョン1に設定するのもいいかも知れません。
また、昔は常駐させておくと自動的にDVDのコピープロテクトやリージョンコードを無効化してくれるソフトがありました。しかし私的複製の厳罰化やOSの64bit化などにより、いつの間にか姿を消していた模様です(有料のものはいくつか残っているようですが…)。

PCのDVDドライブのリージョン変更の方法(回数制限あり)

お約束ですが実行する場合はあくまで自己責任で。

エクスプローラーから光学ドライブを右クリック→「プロパティ」を選択。「ハードウェア」タブから対象のドライブを選択し「プロパティ」を選択。

「DVD地域」タブを開き、変えたいリージョンの対象地域を選択しOKをクリック。「残り変更回数」の残高に注意。

これで北米仕様のDVDドライブになりました。当然国内盤のDVDは読めなくなります。元に戻すことも可能ですが、上記のように回数制限がありますので慎重に。

BD(Blu-ray)

※BDについては割と知識が適当です

さてBDですが、個人的にはこのBDという規格、苦手というか嫌いです。

DVD→BDへの移行によってデータ量の増加によるところの高画質・高音質化というメリットを手に入れましたが、個人的には利便性という失ったものの方が遥かに大きく、BDが世に出て随分経ったにも関わらず、未だこの規格というものへの嫌悪感は拭えていません。それほど画質や音響にこだわらない身としては正直圧倒的に扱いやすいDVDを選びがちです。ただ、いざ(国内盤の)円盤を買うとなると大して値段が変わらないし、どうしてもBDを選んでしまうわけでして。
そういう意味ではコンボパックで売られる場合も多い北米版は非常にありがたい存在なのです。日本語版もコンボで売って欲しいものです。

かなりBDという規格には思う所も多いので前置きが長くなりましたが本題。北米版BDの視聴方法です。

DVDのところでも出てきましたがBDにも当然リージョンコードは存在します。が、なぜかDVDとは区分けが大分違います。

A 日本、南北アメリカ、東南アジア、朝鮮半島、台湾
B ヨーロッパ、中近東、アフリカ、オセアニア
C 中央・南アジア、中国、ロシア、モンゴル

Blu-rayのリージョンコード一覧

DVDと比べかなりざっくりです。ここで注目なのが日本と南北アメリカが同じリージョンA地域にいるということ。つまりBDは特に何をするでもなく国内産プレイヤーで観れます…とはならないんですね。今度はリージョンコード以外に国コードというものが登場します。この制限のおかげで一般的なプレイヤーでは再生が制限されてしまう場合があります。

ではどうするか、一番簡単な方法はPS3以降のBDドライブ搭載のSONYのゲーム機で再生すること。この場合おそらく何もしなくても普通に再生できるはずです。ちなみに私はPS3しか持ってませんのでPS4以降の対応状況はネット記事で伝え聞いただけです。

北米版BDについては、もう素直にPS系ハードで観なさい!というのが正直なところです。PCではBD自体観るのが面倒だし、一般のBDプレイヤーはネットに情報のある機種以外は観れるかどうか実際に実物を手にして確かめるしか方法は無いわけですから。

しかしこんな記事を書いている以上、個々のBDプレイヤーはともかくPCでの北米版BD再生を完全スルーするのも気が引けるのも事実なので一応試してみます。ただしPS3で観れる以上、有料の再生ソフトを導入しようとは思いませんので無料で出来る範囲で。元々データバックアップ用に外付けのBD-REドライブは所持してるので後は再生ソフトを用意するのみです。

まず名前が上がるのがDVDのところでも名前を出したVLC Media Player。
MediaPlayerClassic系と並んで普段遣いのプレイヤーにしている人も多いでしょう。私もです。こちらBD再生もサポートしていますが市販のBD、つまりAACS(コピープロテクト)がかけられてるモノはNG。ですがいろいろファイル等を拾ってきて適切に処置することによってBD再生が可能になります。
その辺の方法はネットで検索し出てきた方法を書いてあるままただ試しただけの私が解説するのもアレなのでVLC BD再生あたりでググってみてください。

一応BD再生はできるようになったのですがディスクメニューが扱えません。扱うにはJAVAを導入しなくてはならないとのことでしたのでチャレンジしてみましたが、どうしても上手くいきませんでした。現状、観れるだけで感謝です。

後は無料のBD再生ソフトとしてよく名前の挙がるLeawo Blu-ray Player。試しにインストールしてみたのですが、こちらもディスクメニューを扱うにはJAVAが必要とのことでしたのでそれならもうVLCでいいや、ということでアンインストール(というか事前に復元ポイントを作成しておいて復元)。

最後に

今回の件でまた北米版の円盤購入してみようかな…などと一瞬思いましたが購入した北米版の円盤、そのほとんどが一回視聴した程度で放置状態。また決して少なくない量のタイトルが購入した時点で満足、シュリンクすら破っていないいわゆる積み状態だったことを考えるとやめておいた方が無難ですね。
せっかくまた北米版を観る方法を履修し直したので、積み状態になってる円盤を少しずつでも消化することにしましょう。


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