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愛着障害への対応方法⑦

前回までの続きです。

これまでの人生における様々な成長を、丁寧に確認していくことの大切さについてお話しました。

それと同じ、それ以上に大事なのは、「これからはより一層の成功体験の充実を図っていくこと」です。

失敗体験あるいは失敗していないにもかかわらず理不尽な対応を取られ続け、心に大きなダメージを受けていると、それを元に戻すことは相当な時間と労力が掛かります。

そうした覚悟をもちながら、日々成功体験を積み重ねていくことが求められます。

朝起きられたこと、朝ご飯を食べられたこと、家から外に出られたこと、学校に来られたこと、学校生活が友達と送れたこと、授業に参加できたこと、他の人と関われたことなどなど、成功体験の原石となる一つ一つの行動に対して、最大限の評価をしていくことが必要です。

「そんなことできて当たり前じゃないか」と思えるようなことが、愛着障害のある子どもたちにとっては、大きなエネルギーを消費しているケースがあります。

今生きていることを肯定できるように、今存在していることに対しての価値付けをしていくことが非常に重要です。

本人との丁寧な対話をしながら、今ここにいること、場を共有できていること、コミュニケーションが取れていることを評価する。

その上で、本人がやってみたいことができる環境を整え、できるだけそれに没頭できるように支援していきます。

何かに夢中になれることが見つかることで、ネガティブな思考に引っ張られにくくなり、これからを生きていく希望の光となっていきます。

周囲が本人の心に愛情を注ぎつつ、ここから立ち直ろうという意欲を高めていく。

一筋縄ではいかないことですが、本人の立ち直る力を最後まで信じて、よさをさらに一歩ずつ伸ばしていけるように支援していきます。

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