愛着障害への対応方法⑧
前回までの続きです。
これまでのお話の中で、愛着障害のある子どもたちへは「一人で対応しない」ということを伝えてきました。
それに加えて、もう一つ大切なこととしては「支援者間で支援のバラツキがないようにする」ということです。
子どもが取った一つの行為に対して、ある支援者は認め、別の支援者は認めないといった、支援のバラツキがあると、子どもは次にどんな行動を取ればよいのか混乱してしまうからです。
また、「この先生はこんなことをしても許してくれるからいいや」「これをやったら怒られるから、この先生の前では大人しくしておこう」というように、大人の顔色をうかがうことにより拍車がかかってしまいます。
そうならないためにも、支援のバラツキをなくしていくことが大事です。
では、支援のバラツキをなくすためにはどうすればよいか?
それは「支援の記録を付け、共有する」ということです。
ある先生が取った支援について共有のノートなどを準備し、そこに記載します。
「○月○日、2時間目、授業中に教師に暴言を吐いた。暴言についてはその場で注意した。授業後に本人を呼んで話を丁寧に聞き、暴言の理由を聞いたところ、ムシャクシャしていたからとのことだった。先生に話を聞いてもらって少し落ち着いた。次にムシャクシャしたときは、暴言を吐かずに、不安定な気持ちを先生に伝えるように確認した」
みたいな感じで、
・何が起こったか?
・その理由は?
・その時取った対応は?
・アフターフォローを行ったか?その内容は?
・本人に伝えた、次にするべき行動は?
こうしたことを簡単にメモして、次の支援者に渡します。
できるだけ負担のない範囲で、支援者間で続けられる感じで取り組むことが大事です。
なので、支援者間でどういったやり方なら、統一した支援が続けられるかを話し合いながら進めていきます。
そして定期的に支援者間で集まり、現状の確認と今後の対応策について協議します。
そうした地道な積み重ねが、子どもを救う大きな原動力となっていきます。