心で心を支援することが全て
「特別支援教育は高い専門性が求められるから難しい」という声
をあちらこちらでよく聞きます。
確かに、学習や生活の課題を改善させるための活動をはじめ、社
会性を養う様々なトレーニング法や保護者に向けた相談方法やトレ
ーニングなど、専門的な知識・技能は多く存在する世界です。
しかし一方で、あなたが尊敬する先生を一人思い浮かべてみてく
ださい。
その先生はきっと、特別な支援が必要な子どもと初対面でも、適
切な関わりや指導ができるのではないでしょうか?
では、そういった先生達は特別支援教育の専門性がないにも関わ
らず、なぜ上手な指導・支援ができるのでしょうか?
それはきっと「子どもの心に届く支援」ができる先生だからだと
私は思うのです。
「子どもの心に届く支援」ができる先生はきっと、どんな特性の
ある子どもに対しても真摯に向き合い、今自分ができる指導・支援
を総動員して、熱意をもって懇切丁寧に取り組むことが自然とでき
る先生なのではないでしょうか?
そういった先生の指導・支援は、子どもの心の奥に深く刻み込ま
れるものになるのだと思うのです。
だから、特別支援教育の専門性を少しずつ身に付けつつも、目の
前の子どもの心に届く支援を、真心を込めて行っていく姿勢に磨き
を掛けていく必要があります。
心で心を支援できる先生が増えることで、障害があってもなくて
も関係がない、よりインクルーシブな視点での教育が促進されてい
くのではないかと思います。
私も特別支援教育に携わって20年以上経ちますが、自分より経験
が浅くても子どもの心に届く支援ができる後輩はたくさんいます。
子どもの心に届く支援をしている姿を見て、自分ももっと研鑽を
重ねて、適切な支援が届けられる支援者にならなくてはと思います。
そういった後輩達に負けないくらいの情熱をもって、特別な支援
が必要な子ども達の心に届く支援を続けられるようにこれからも精
進していきたいです。