#001-01 バンをキャンピングカーにしようと思った理由 その1
キャンピングカープロジェクト第一弾の記事が、BE-PALウェブ版に掲載されてから随分と立ってしまったけれど、今回はそこで書ききれなかった話を数回に分けて書いてみたいと思う。
それは、僕がトラックキャンパーに乗ることになったきっかけと、そのキャンパーにまつわる話。そして今回なぜキャンパーからバンに変えたのか?という話。
僕はカナダのユーコン準州にかれこれ10年近く住んでいている。ここに引っ越してくる前の2008年から2010年の3年間は、旅行者として毎夏カメラ、キャンプ道具、そして折りたたみカヤックを持って遊びにきていた。
その3年目、日本を出る前に日本で西日本巡回の写真展をやらせてもらうことが決まって、張り切っていた訳。
それまでの2年間は撮影という名目ではあったけど、実質はカヤックのトーレーニングというで川ばかり下っていたから、正直写真展に出せるようなクオリティの写真は、ほとんど撮り溜まっていなかったと思う。だからこそ3年目は川下りばかりしてないで、写真を撮らなきゃ!と意気込んでいた。
来始めの頃のユーコンのイメージは、やっぱりカヌーやカヤックでユーコン川を下る!というのが強かったと思う。実際に何度か来ていると、それ以外にも良い川や、山や、道があることが、だんだんとわかってきて、そういうところにも脚を伸ばしてみたいと、自然と思うようになる。
それには車が必要だ!
ということで、新聞の個人売買広告を見ては、公衆電話から電話して、安くて、でもちゃんと走る車を探した。なかなか自分の低予算に見合って、なおかつ満足できる状態の車は、簡単には見つからなかった。
そうこうしているうちに、どんどんと時間が経っていき、それを見かねた知人がありがたいことに、「そろそろ車買い換えようと思っているから」と格安で譲ってくれたのだ。
GMC社製のサファリAWD、1996年製、当時14歳。
日本で有名なシボレー社製アストロと同型車。日本では高級車で知られているかもしれない。北米でも高級仕様車もあるけれど、どちらかと言えば、一般的なワンボックスファミリーカーのモデルが主流で、自分のも一般的な方だった。
ついに翼が生えた!と言わんばかりに、残り少ないユーコンの夏の滞在時間を、川以外での撮影に出かけた。
後部3列の座席を外して、マットレスと寝袋を敷き、クーラーボックスと着替え用の引き出しを入れて、簡易キャンピングカーにしてあちこち走り回った。
そのおかげで、なんとか人生初の写真展に出展する写真を、撮り揃えることができた。
そして翌年の2011年、本格的にユーコンでの生活を始めるために、引っ越してきた。もうすでにサファリ君は手元にあったので、その後も、あちこちにキャンピングカーとして、出動してくれた。
しかしそんなサファリ君も、だんだんと押し寄せる年増の波には勝てなくなっていって…。
次回へ続く