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小曽根真×塩谷哲 DUET2022 住友生命いずみホール/2022.11.24

私が数十年尊敬してやまない大好きなピアニスト小曽根真、これまた大好きな塩谷哲のデュオコンサートに行ってきました。

会場の住友生命いずみホールはクラシック専用ホールですが、時折【いずみジャズナイト】と銘打ってジャズコンサートが行われています。
普段ならジャズクラブでPAが入った状態で聴く音楽をホールでPAなしのまさに『生音』で聴く贅沢。

ホールでのコンサートといえば、3月に奈良の秋篠音楽堂で小曽根さんのソロコンサートを聴いたところで、こちらも大変素晴らしかったですが、今度は塩谷さんとのデュオ。
さらにどんな化学反応が起こるのか期待に胸を膨らませて会場へ向かいました。

会場は超満員。
ほぼ空席なしの状態。
客層は子どもからご年配の方まで幅広かったですが、若干年齢層高め(私もですが笑)。

例のごとく、ホールの後方から登場するお二人。

仮面を取るように鮮やかにマスクを取り(笑)コンサートがスタート♬


二人がそれぞれに織りなす音。

そして繰り広げられる音の会話。


時にスリリングに、時にあたたかく。


素晴らしいの一言。


ピアニストとしてはもちろん、コンポーザー塩谷哲の素晴らしさも再認識し、なぜ小曽根さんが塩谷さんとデュオをやりたいと思うのかがよくわかりました。

緻密に作られた曲。
決して派手ではないけれど、あたたかくて優しく包みこむような音。
塩谷さんの人柄を表しているようにも感じました。

コロナ禍で何ができるかと考えて作られたという『What can we do 』、そして2003年イラク戦争の時にオスカー・ピーターソンの自由への讃歌に感銘を受けて作られた『Ode to liberty』を聴いた時は自然に涙が溢れてきて、止まりませんでした。



緊急事態宣言下、小曽根さんが53日間毎日Facebookで生配信で演奏されていたとき、そのチャット欄でユニークなコメントをされていたソルトさん。
偉大なアーティストなのに、気さくにリプライしてくださったり、いいねしてくださったり…勝手に親近感を抱いていました。

そして、お二人の演奏を聴きながら、あのときの思いも蘇っていました。


先が見えない不安な毎日のなか、あの毎晩の配信にどれだけ癒やされたことか…。
さらに、その後私自身に癌がみつかり、手術を受けることになったときも、長年のファンで小曽根さんもご存知の知人が、小曽根さんの投稿に私のことをコメントしてくださり、間接的ではありましたが小曽根さんから励ましの言葉をいただいたこと、どれだけ嬉しくて心強かったか…ずっと忘れられない思い出です。

改めて感謝します。



話は逸れてしまいましたが、
今回のコンサートで感銘を受けた小曽根真さんの言葉。

クラシックというと古いものと思われがちだが、そうではなく、音楽というのは普遍的であり、かつ進化し続けるもの。

時代やジャンルを問わず、よい音楽は弾き手によって新しく変わり続けていくのだと感じました。

互いをリスペクトしあい、進化し続けるお二人の背中を追い続けていきたいと改めて思った夜でした。

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