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KO-GU | Musk / Soil

今日はNose ShopがプロデュースするデイリーフレグランスブランドKO-GU(コーグ)の2本を紹介します。このブランドについては、以前にレビューしていますので、こちらをご参照ください。

KO-GUのオードパルファムの容器は、透明ボトルと乳白色ボトルの2種類ありますが、透明ボトルは天然香料主体、乳白色は合成香料主体、いずれも例外あり、とスタッフの方から聞きました。

早速、香りのレビューをしていきます。

ムスク | Musk

https://ko-gu.com/products/kog-msk-edp

香りに出会った瞬間、それは存在するのかしないのか、まるで幻のように儚い。だが、確かにそこにある。大環状ムスクという合成香料が醸し出す香りの世界は、そんな不思議な体験から始まる。

肌の上で、体温とともにゆっくりと目覚めていく香り。最初はほとんど感じられないほどの控えめな存在感が、やがて確かな存在感となって立ち上がってくる。それは、アンブレッドを思わせる柔らかさを持ちながら、不思議なことに既視感が薄い。

トップからベースまで、すべてをムスクで構成しながら、そこには確かな香りの変化がある。まるで一枚の絵画が、見る角度によって異なる表情を見せるように。そして、時間とともにその存在感は確かなものとなっていく。けれど、決して主張が過ぎることはない。

香水というものは、時として自己主張が強すぎることがある。しかし、この香りは違う。まるで上質なコットンのシーツのように心地よく、そこにあることが自然な、そんな佇まいを持っている。すべての香料がムスクでありながら、その表情は一つではない。それは、同じ楽器で奏でられた、静かな遊び心を感じさせる小さな協奏曲なのかもしれない。

そっと寄り添うように、控えめでいて確かな存在感。まさにデイリーフレグランスという理想を体現した作品の一つ。

調香師:非公開
香りの強さ:★★☆☆☆
香りの持続時間:★★★☆☆

ソイル | Soil

https://ko-gu.com/products/kog-sol-edp

穏やかな朝もやのような柑橘の香りから、この香りは始まる。ベルガモットとブラッドオレンジは爽やかさを抑えめに表現し、グレープフルーツの繊細な苦みが大人びた印象を添える。

土の香りとローズマリーが織りなす調和が、この香りの特徴だ。ハーブの清々しさは、アーシーな落ち着きと溶け合い、まるで深い森の中で朝露に濡れた草木に触れているような感覚を呼び起こす。

時間とともに、パチョリとウッディノートが温かみのある安定感を生み出していく。カシミアウッドの柔らかな質感と、サンダルウッドの上品な甘みは、この香りに優しい包容力を与えている。ベチバーは控えめながら、深みを加える存在として香りを支えている。

特別な主張を感じさせない香りでありながら、確かな存在感がある。派手さはないものの、丁寧さが感じられる。ラストに向かって穏やかに変化していく様子もまた、ナチュラルな心地よさとして受け止められる。日常に寄り添う、大人のための落ち着いた香りと言って良いだろう。

調香師:非公開
香りの強さ:★★★☆☆
香りの持続時間:★★★☆☆

まとめ

KO-GUの魅力、再発見

1月に新作が3種発売され、香りのラインアップが全41種になったそうです。すべての香りを確かめてはいませんが、今回の2本は、普段ニッチフレグランスを買い集める私にとって、普通に日常で使いたくなる完成度に達している香りだと感じています。

若い世代に広がる香水文化

昨今、日本でも徐々に香水の人気が高まっているように感じます。とりわけNose Shopが持ち込んだニッチフレグランスは、若い世代を中心に「人とは違うもの」というインサイトをしっかり深掘りしていて、かく言う私もNose Shopを通じて素晴らしいブランドとたくさん出会えました。彼らの功績はもっと高く評価されるべきだと思います。

人気と課題

KO-GUはSNSで積極的に情報を発信しているブランドですが、品切れが多いのが課題かもしれません。今回のムスクとソイルも最近在庫が復活してようやく購入できたものです。しかし、日本に香水文化を根付かせるのが彼らの目標だとすると、意図的ではないにせよ結果的に顧客との関係性を持続させることに成功しているように思います。

気になるのは、最近在庫が復活した商品の8mlが引き続き欠品していることです。20mlはあるけど8mlは品切れ。完全に私個人の見解ですが、小容量は採算性から今後消えていくのかもしれません。たくさん試したい私にとって、8mlは確実に使い切れる量です。復活してくれることを祈りたいですね。

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