Bdk Parfums PAS CE SOIR。夜の光を纏う誘惑
今回はNOSE SHOPガチャで引き当てたBdk Parfumsの2本目、PAS CE SOIRをご紹介します。以前のVILLA NEROLIは、その場でボトル購入を決意しそうになるほどの驚きの香水でした。
NOSE SHOPの紹介文では明確に女性向けの香水として書かれていますが、そんなことは気にせず使ってみました(笑)。ストーリーに惑わされないよう、純粋に香りに焦点を当ててレビューしていきます。
PAS CE SOIR | パスソワール
濃密な夜空のような深みを湛えた液体は、開栓と同時に躍動的な生命を帯びる。果実の鮮烈な輝きが静謐な空間を貫き、マンダリンの眩しさが視界を満たしていく。その輪郭は徐々に柔らかみを増し、ジンジャーの活気とかすかな甘みを纏った温かな息吹となって肌を包み込む。
黒胡椒の鋭い閃きは、この香りの端正な骨格を形作る核となっている。夜風に乗って漂うジャスミンの存在感が次第に高まり、その上品な佇まいは白い絹のように滑らかに空間を満たす。フローラルの優美な調べは、東洋のスパイスマーケットを想起させるチャツネの香りと交わり、深遠な世界を紡ぎ出す。
時の流れとともに、穏やかな甘さが大気に溶け込んでいく。ミルクを注いだ紅茶のような温かみのある甘美さは、決して押しつけがましくはない。パチョリの森林を思わせる気配が、この香りの落ち着きをより一層深める。最後に残るのは、バニラを想起させる神秘的な余韻。しかし、それは幻想なのかもしれない。
この香りは、凛とした佇まいの中に官能的な魅力を秘めている。夜の帳が下りた都会の街角で、誰かを待つ女性の後ろ姿のように、控えめでありながら確かな存在感を放っている。
まとめ
付けたての鮮烈なマンダリンの香りはほんのあいさつ代わり。瞬く間にジャスミンからミルキーな甘さへと変化し、最後にはバニラのような香りへと落ち着きます。面白いことに、この香水にバニラは含まれていないのです。この優しい甘さは、やはり女性により似合う香りだと感じました。
自分には少し遠い香り(men…)に感じましたが、付けていて違和感は全く無いです。ちなみにスタッフによると、普通に買っていく男性もいるのだとか。それでもBdk Parfumsならではの魅力を感じました。
さて、手元には15本入りディスカバリーセットがあります。選べるタイプのセットだったので、これまでの2本と重複がないものを選びました。数が多くて途方に暮れそうですが、一つずつ丁寧に試して、自分だけのお気に入りを見つけていきたいと思います。