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Nonfiction | Forrest
今日は、グローバルに注目を集めているNonfictionをご紹介します。Forrestという作品を取り上げます。この作品はなんとイソップの調香で知られるバーナベ・フィリオンが関わっているんです。簡単にブランド紹介してからレビューに入りたいと思います。
Nonfictionとは
現代を生きる私たちの感性に寄り添うように生まれた韓国発のビューティーブランド「Nonfiction」。その名が示すように、飾り立てない真実の姿にこだわり、私たちの内なる美しさを引き出そうとする哲学が根底に息づいています。
厳選された原料と一流の調香師たちが紡ぎ出す香りの数々は、それぞれが独自の物語を携えています。まるで一冊の本のように、開くたびに新しい発見と感動を与えてくれる香水やボディケア製品。植物由来成分を贅沢に配合しながらも、デリケートな肌へのやさしさを忘れない、細やかな心遣いも魅力です。
伊勢丹新宿店でのポップアップストアが話題を呼び、いま日本でも注目度が高まっているNonfiction。性別を超えて愛される洗練された香りと、ミニマルな美学が結実したパッケージデザインは、日常に特別な彩りを添える存在として、多くの人々の心を掴んでいます。
このブランドが提案するのは、単なる美容習慣ではありません。香りとともに過ごす静寂な時間は、自分自身と向き合い、内なる声に耳を傾ける贅沢な儀式となるでしょう。
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バーナベ・フィリオン調香
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今回紹介するフォーレストは、Aesopのほとんどの香水を手掛けるバーナベ・フィリオン(Barnabe Fillion)とのコラボ作です。彼が手掛けていないのはTacitだけです。なので、私にとってAesopの香水といったらフィリオンなのです。実質、彼はAesopの専属調香師といって差し支えないと思います。
そのフィリオンが他のブランドとコラボするのは珍しく、私が知っているものでいうとLE LABOのGeranium 30ですが、100本限定でほぼ入手不可能です。このフォーレストは、誰もが入手可能であり、かつ手を出しやすい価格で展開されています。
Aesopの香水については過去にまとめたものがあります。2024年12月現在に発売されている全種類をレビューしていますので、ご興味があるかたはチェックして見てみてください。
完全に余談ですが、個人的に、AesopはTacitを手掛けたセリーヌ・バレル(Celine Barel)をもう一度起用して欲しいと願ってます。フィリオンとは異なる感性でイソップらしさを生み出した調香師で、本当に素晴らしい香りなので。
フォーレスト | Forrest
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山間の温泉宿で目覚めた朝のような清々しさがある。檜の香りが空気をすっと貫き、その後から柚子の爽やかな気配が漂う。古くから親しまれてきた柚子湯の香りを纏うと、心が静かに落ち着いていくのを感じる。だが、その印象は儚く、あまりにも早く消えていってしまう。
グリーンノートの香ばしさは、まるで朝もやの中で深呼吸をしているかのよう。ナツメグの温かみが加わることで、より一層心地よい安らぎへと誘われる。しかし、謳われているフランキンセンスやローズの存在は、どれだけ探しても私には見つけることができなかった。
この香水は、強さを競うことなく、むしろ繊細さを重視していると思いたい。だが、その繊細さは脆さと紙一重だ。なぜこうなってしまったのか、素人目には判断がつかない。あまりにも早いフィリオンらしさの消失。心には「もしも」という言葉と共に、かすかな物悲しさだけが残されていた。
調香師:バーナベ・フィリオン(Barnabe Fillion)
香りの強さ:★★☆☆☆
香りの持続時間:★★☆☆☆
まとめ
Nonfictionのポップアップストアでの購買体験は、ブランドの誠実さを感じさせるものでした。そしてフィリオンには深い敬意を持っています。しかし、レビューは客観的でありたいのです。ありのままを書いたつもりです。
「Created by」というラベルがフィリオンの監修範囲を曖昧にしている気がしてなりません。フィリオンが生み出したかった香りを、いつも通りには作れなかった。あるいは新しいブランドのために新しい調香にチャレンジしたのかもしれない。いろいろと推察しますが、私にとってなにか釈然としない感想が残る作品でした。
スタッフの方によると、近々、日本でも店舗ができるようです。フォーレスト以外の香りも試しましたが、良い印象を持ちました。ディスカバリーセットもありますね。ご興味がある方は、そこから始めるのも良いかもしれません。ちなみにフィリオンとコラボしたのは、このフォーレストだけとのことです。
店舗ができたら、私もフォーレスト以外の作品を試しに行くつもりです。