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Byredo | Bal D'Afrique

今回はBal D'Afrique(バル ダフリック)を紹介します。Byredoについては、以前ディスカバリーセットをレビューし、ブランドの紹介もしています。

その後、ボトルで購入したBal D'Afriqueは、日常的に使うようになって印象がより深まりました。改めてレビューしたいと思います。

特徴的な開封体験。戦闘的なステンシルフォント、武器が入っていそうな厳重包装。廃棄物の量で後ろめたい気持ちになりました
個人的にはこれで十分じゃないかと思います

Bal D'Afrique

Bal D'Afrique

誰かの記憶を辿るように、この香りとの出会いは新しい物語の始まりのよう。今までの価値観が覆されるような新鮮な驚きがある。強い個性を持ちながらも不思議と心に寄り添う香りの魔法に、思わず立ち止まって見とれてしまう。

最初に感じるマリーゴールドの印象的な香りは、フルーティーな焼き菓子を思わせる香ばしさと溶け合って、遠い異国を思わせる深い存在感を放つ。それはまるで見知らぬ集落へと続く小道で、どこからともなく漂ってきて思わず振り返ってしまうような香り。時が経つにつれ、シクラメンやバイオレットの清らかな花々の香りが顔を覗かせるが、その甘さは決して前面には出てこない。この意外な組み合わせが、ありきたりなフローラルとは一線を画した魅力を醸し出している。

体を動かすたびに、シダーウッドとベチバーがもたらすスモーキーな香ばしさが漂い、その度に新しい表情を見せてくれる。それは誰かの旅の記憶を追体験するような心地よさだ。この香りは、誰かと共有したくなるような親密さと、どこか人とは違う個性を持ちたい気持ちの両方を満たしてくれる。

まるで運命的な出会いのように、一目惚れにも似た衝動を感じさせる香り。思いがけない出会いから始まった物語のように、この香りは私たちの日常に小さな驚きの種を蒔き続けるだろう。

# 技術詳細
香り

トップ | アフリカンマリーゴールド, ベルガモット, ブークー
ハート | シクラメン, バイオレット
ベース | モロッカンシダーウッド, ベチバー
調香師:ジェローム・エピネット(Jérôme Epinette

個人評価
持続性(Longevity):★★★★★
広がり(Sillage):★★★★☆

香り出典:https://www.byredo.com/ja_jp/bal-dafrique-eau-de-parfum-50ml

まとめ

Byredoには二つの顔があると思っています。一つ目は巧みなブランディング、二つ目は実験的ながらときに一瞬で魅了される香り。創設者ベン・ゴーラムと、調香師ジェローム・エピネットの二人の個性が、ぶつかり合いながら、ときに奇跡的な調和を生み出しています。

その一本が、私にとってのBal D'Afriqueです。試した中ではMojave Ghostも同レベルの印象を受けました。Mojave Ghostはディスカバリーセットで選べなかった作品で、後から試しましたが、もし最初から選択肢にあれば、どちらをボトルで購入するか迷っていたと思います。

ちなみに最新作のDesert Dawnはあまりピンときませんでした。

このようなブレの大きさも、Byredoの特徴の一つかもしれません。少しやんちゃなブランドイメージがありますが、香りは繊細なものが多いです。日常使いできる個性的で魅惑的な香りと出会えるかもしれません。ぜひ一度試してみてほしいブランドです。

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